★嵐が丘

 「嵐が丘」と言えば、作者エミリー・ブロンテがほとんど唯一この世に残した長編小説であり、しかも世界文学史上不滅の輝きを放つ名作でございます。ヒースクリフとキャサリンという男女の宿命的ともいえる愛憎を描いたこの作品は過去に何度か映画化されておりまして、古くはローレンス・オリビエ主演のもの、最近ではレイフ・ファインズとジュリエット・ビノシュが主役の二人を演じたものなどが有名でございますが…。

対談場所:いわんや家居間・テレビの映画を見ながら

(たまたま画面ではアメリカの女優、ジュリエット・ルイスが出ている)

トホ妻 「うーんーーー…」

いわんや「何だよ?」

トホ妻 「アタシはねー、嵐が丘のキャサリン役は絶対ジュリエット・ビノシュなんかよりこのコの方が良かったと今でも思うね。ジュリエット・ルイスならかなりイメージに合ってると思うけどなぁ」

いわんや「そう…かなぁ?…うーん…まぁジュリエット・ビノシュはキャサリン役には若干難ありだったかも知れんが…」

トホ妻 「ジュリエット・ビノシュはもう全然ダメよ。だめッだめッ(首を振る)」

いわんや「な…なにもソコまで言わんでも…」

トホ妻 「だってジュリエット・ビノシュってほんとにフツーの女って感じだもん。“ダメージ”とかいう映画でも魔性の女を一生懸命演じてるけど、もうまるっきりフツーの女でさ、あのキャラクターで魔性の女とか運命の女ってのは…『いかがなものか』って感じだと思うよ?」

いわんや「じゃ、誰だったらいいのさ?」

トホ妻 「キャサリンがジュリエット・ルイスでしょ?で、ヒースクリフはブラッド・ピット。これがベストのキャスティングだね」

いわんや「ブラピか…う〜〜〜ん…でもレイフ・ファインズは悪くなかったと思うぜ?」

トホ妻 「だめッだめッ(首を振る)。ヒースクリフはあんな貴公子然としてちゃダメよ。もっとワイルドな感じじゃなくちゃ。で、エドガー・リントン役がねぇ…うーん…」

いわんや「エドガー・リントンなんて大した役じゃねぇし、ユアン・マクレガーあたりでいいよ」

トホ妻 「問題はおにいさんだね、ヒンドリー。これは重要な役だよ。これはねー…」

いわんや「ヒンドリーは…(考える)…アレだ!あの…何てったっけ…ホラ、あいつ」

トホ妻 「違う違う、あっちよ。えーと…ほら、アレに出てた…(自分が先に言おうとアセる)」

いわんや「いや絶対あいつの方がイイ!…ほら、あの…(自分が先に言おうとアセる)」

トホ妻 「アメリカンヒストリーXに出てた…ほら…」

いわんや「違うって!ファイトクラブに出てたアイツ」

トホ妻 おなじヒトよ!ファイトクラブに出てた、ブラピじゃない方でしょ?」

いわんや「そうそう。アメリカンナントヤラなんて映画にも出てたっけ?」

トホ妻 「出てたわよ。いやしかしスゴいねー!期せずして同じ俳優をイメージするとは!」

いわんや「ま、どうってこたぁねえよ(なぜか威張る)」

トホ妻 「ところで、アイツの名前なんてったっけ?」

いわんや「えー…だからホラ…リチャード……クレイダーマンじゃなくて…(煩悶する)」

トホ妻 「…デビット…フィンチャー…これは監督か。えーと…んんんん…(煩悶する)」

 ドワード・ノートンでございました。御存知ない方にはチンプンカンプンのオタク会話で申し訳ございませぬ。しかし「ヒースクリフとキャサリンは誰がピッタリか」というのはなかなか面白いテーマでございまして、ワタクシの意見ではヒースクリフ役にブラッド・ピットというのはまぁまぁの線だと思いますが、キャサリンは…うーん…若い頃のジャンヌ・モローとか…(こればっかり)。ちなみに「嵐が丘」は日本でも時代劇版で映画化されておりまして、ヒースクリフ=松田優作、キャサリン=田中裕子という配役だったはずでございます。また、漫画「ガラスの仮面」でも「嵐が丘」は取り上げられておりますが、こちらは当然、北島マヤがキャサリンの少女時代を演じておりますですね。

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