2003.12.16

誤字等No.001

【徴妙】(似字科)

Google検索結果 2003/12/16 徴妙:444件

記念すべき第一回の誤字等は、「徴妙」です。ちょっとマイナーなところからスタートとなりました。
さて、いったいこれは何と読むのでしょうか?
素直に読めば「ちょうみょう」ですね。しかし、こんな言葉は日本語にはありません。
この言葉を使っている人たちは、どうやら「微妙(びみょう)」と書きたかったらしいです。

この誤字は、2003年12月に、あるニュースで報道されました。
某大学の入試問題で誤字が発覚し、結局受験者全員を合格させることになった、というものです。
この試験では、いくつかの誤字が発見されています。
その中でも、不可解さではナンバーワンの誤字が、この「徴妙」でしょう。
検索結果のうち、多くはこの話題について取り上げたものです。

びみょう」で変換すると「徴妙」となるようなFEPでも存在するのでしょうか?
そうでもない限り、普通はこんな漢字は出てきません。考えられる原因としては、何があるでしょう。
紙に書いた誤字をOCRで読み取った?
OCR読み取り時の認識ミス?
一字ずつ手書き認識で入力?
それとも昔ながらの「活字」を拾って組み合わせる方法で印刷しているのでしょうか。

検索結果の中には、文脈から「微妙」と間違えられているとしか考えられないものが結構あります。
そんな人たちも、読み方が「びみょう」であることは、分かっているのでしょう。
話し言葉で「ちょうみょう」なんて聞いたことありませんから。
なぜ、普通に変換すれば正しい文字が出てくるものを、わざわざ苦労して誤字にするのか。
疑問は尽きません。

[実例]

逆の現象として、「」を使うべき場面で「」を使っているものも数多くあります。
例えば、「特徴(とくちょう)」を「特微(とくび?)」と表記しているページ。
数から言えば、こちらの方がずっと多いです。
文面を読む限りでは、「特微」が正しい表記であると信じて疑わない人たちもいるようです。

また、「徴収(ちょうしゅう)」と間違われていると思われる「微収(びしゅう?)」もよく見られます。
特に、お役所のページや、何らかの規則を表示したページなどで目立ちます。
こんな誤字入りの規則では、有効性が疑われますね。

日本人とは、かくも「似たような字形」に弱いのでしょうか。
このような「似たような字形」が原因と思われる誤字等の品種を、「似字科(じじか)」と命名します。

[亜種]

徴笑:108件
徴小:210件
徴少:33件
微収:1,380件
特微:1,600件

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