[Edit][Create New]
[ IndexPage / ネットとプログラミング / web296 / No02.txt ]

No02.txt

 はじめまして。かなだと申します。
 ここではWebの……だと筆者の貧困なヒキダシではネタがすぐ尽きそうなの
で、インターネットの、ありがちな誤解とか案外知られていない事実なんかを
中心に書いていこうと思っています。

 ところでみなさん、インターネットカフェって行ったことがありますか? 
僕は大昔一度だけ行ったことがありました。思えば今をさかのぼること5年前、
つまり犬年令では35年前のこと。
 国分寺の北口商店街の雑居ビルの一室にそれはありました。看板は手書き、
チラシも手書き、郵便受けまで手書きのその「インターネット・カフェ」は、
Pタイルの雑居ビルの一室に折りたたみ机を入れただけの、まるで工事現場の
プレハブ即席会議室のような内装で、客はおらず暇そうなオネエサン(インス
トラクターらしい)がいるだけという素晴らしいものでした。
 当時意地の悪かった私と友人は、初心者と偽りそのオネエサンに「インター
ネットのやりかた」を教わりました。Netscapeのリンクはダブルクリックで辿
るようです。

 そして時は流れて2000年年末に至るまで、僕の頭の中の「インターネット・
カフェ」はずっと工事現場のプレハブ会議室だったわけですが、この頃、僕の
メインマシンのハードディスクがクラッシュするアクシデントがありました。
 これがどうも物理的なクラッシュのようで、ディスクから「キーキー」とい
う悲鳴に似た引っ掻き音が聞こえてくるお手上げ状態。時間もなく困っている
ところに思いついたのがあの旧き日の「工事現場の会議室」でした。
 そこでさっそく池袋駅前の某カフェに向かいます。本来マンガ喫茶らしいの
ですが、細かいことは気にしません。ちなみにマンガ喫茶の方は初めてです。
工事現場のプレハブ会議室に本棚が増えた一室が目に浮かびます。
 しかし、入ってみて驚愕。いやー、すごいですな時代の流れというのは。店
内の程よく落ちた照明は場末の歌声喫茶を思わせます。静かな音楽が流れるそ
こは正にリラックス・スペース(なんだそれ)。ドリンクは飲み放題。マンガも
読み放題(当然か)。ソファーはコクヨ製じゃないし、テーブルも全く折りたた
めません。あと床がカーペット。
 僕はこの5年間、犬で言うところの35年間ずっとインターネット・カフェと
いうものを誤解しつづけていたようです。素晴らしすぎる。今日から僕はここ
をオフィスにしよう、今日からここが僕の城だ、そんなことさえ思い始めました。
 しかし、その妄想もものの5分で崩れることになります。入店5分後、時刻に
して午前2時、隣の個室からものすごい轟音が聞こえてきました。いびきのよ
うですが、人間のものと思えぬほどで、ドリンク・バーのコップがカチカチ共
鳴してます。あまりのうるささに個室の壁を思いっきり蹴飛ばし帰っていく人
達もいます。しかし轟音はやむ由もなく続きます。こんなんじゃ仕事にもなり
ゃしない。
 それだけじゃありません。凶悪な体臭を半径5mにわたって放射し周囲の大気
を汚染しつづけるオッサン。鼻歌で「翼をください」のサビの部分だけエンド
レスで歌いつづける青年。癖なんだろうけど「ぷぅーーぷぷすぅぅー」という
オナラのような音を口から発しつづける女性。かくして僕の「インターネット・
カフェをオフィスに」計画は儚くも消え去ったのでした。

 池袋の某店様、もし貴店が店内での独り言、鼻歌、いびき、歯ぎしり、あと風
呂嫌いと「ぷすぅー」って音を禁止してくれたら、毎日通ってもいいです。も
しこれを読んでいたら検討してください。お願いします。