前回も紹介しましたが、今一度、メールアドレスの仕組みは、以下のようにな
っています。
local-part "@" domain
そして、このlocal-partの定義に従えば、
"かなだまさかつ"@web296.com
や、
!#$%&'*+-/=?^_`{|}@web296.com
というメールアドレスが作成可能だという事は前回説明しました。
しかし、メールアドレスの定義の柔軟さはこれだけではないんです。
RFC2822を良く読むと、local-partは、
dot-atom = [CFWS] dot-atom-text [CFWS]
quoted-string = [CFWS]
DQUOTE *([FWS] qcontent) [FWS] DQUOTE
[CFWS]
obs-local-part = word *("." word)
のいずれかになると書かれています。ここで、[CWFS]という記述に注目してく
ださい。これは、ここに「CFWS」を書くことが出来る、という意味です。
obs-local-partには書かれていませんが、これも定義を辿っていくとCFWSを含
められるようになっています。
CFWSとは、同RFCによると、Comment, and Folding, White Spaceの略で、要す
るにコメント、行の折り返し、空白文字の3つの要素の事です。つまり、メール
アドレスのlocal-partの前後には空白文字や改行、コメントを含める事ができ
るのです。同様に、domain部分の定義を見てみても、同じようにCFWSが含めら
れるようになっています。ということは、
web296@web296.com
というメールアドレスは、
web296 @ web296.com
とか、
web296
@
web296.com
とも書くことも出来る、という事です。さらにコメントも含めると、
web296(うぇぶつくろー)
@(この後がドメイン)
web296.com
のようにも書ける、という事です(カッコ内はMIMEエンコードしておく必要はあ
ります)。
改行は普通のメーラーでは難しいでしょうが、スペースやカッコは簡単に入れ
ることが出来ると思いますので、やってみてください。普通に送れるはずです。
このようにRFCに従って考えられるメールアドレスを突き詰めていくと、
!#$%&'*+-/=?^_`{|}(@@@@@@@)
@(((((x)))))
[192.168.0.1]
なんていう、とてもじゃないけど何の事だかわからないメールアドレスも実在
することになります。ご自分のサーバーをお持ちの方で、興味がある方は色々
作ってみて、どのメーラーがどこまでついて来られるか試してみるのも(性格悪
いですが)楽しいかも知れません。