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No44.txt

2ちゃんねる閉鎖騒動後日談

というわけで、随分長い間にわたり、2ちゃんねるの閉鎖騒動とその原因、そし
ていかにして2ちゃんねるは閉鎖を免れたかと言った事項を技術的な側面から解
説してきましたが、いかがでしたでしょうか?この間久しぶりに<http://2ch.
net>を覗いてみましたが、掲示板が次々に閉鎖され終末ムードに満ちていた当
時の2ちゃんねるの面影はもはやなく、何事もなかったかのように、騒動以前と
同じような運用が続けられていました。

なお、この閉鎖騒動のさなか、今まで解説してきたキャッシュと圧縮のCGI側で
の対応を掲示板上で提案し、管理側から提供して頂いた掲示板CGIスクリプトに
一夜漬けでクイックハックを施した奴が実は私だったのはまだ誰にも言ってい
ないので、みなさん内緒にしておいてください。

それにしても近頃は回線の容量が飛躍的に向上したお陰で、コンテンツ1つ作る
にもその容量を気にする人は少なくなってきたのではないでしょうか?

私がWebに首を突っ込み始めた1994年頃は、持っていたモデムが2,400bpsという
代物で、当然時代が時代ですからページ上に画像は殆どありませんでしたが、
それでも1ページを表示するのに数十秒は待たされたものです。当時を知らない
人には信じられないでしょうが、文字が表示されるスピードと、人間の目が文
字を追うスピードが殆ど同じだったのを良く覚えています。画像はよほどの事
がない限り使いませんでしたし、使っても64ピクセル四方程度のごく小さなも
のでした。

1996年頃にはある企業のWebページのデザインを行う事になりましたが、そこで
も1ページ辺り30kb以内という制限があり、サイズを少しでも減らすためにGIF
画像を1ピクセルずつ修正したりしていました。もちろんHTMLドキュメントも当
時は良い編集ソフトがなかったため全て手打ちで、やはり少しでもサイズを減
らすためにタグを詰めて書いたり、2バイトあるWindowsの改行コードを1バイト
のUNIXのものに変換したりと、随分ムダな労力を使っていたものです。

さて、私が2ちゃんねる閉鎖騒動の際行ったのはCGI上でのサイズ縮小ですが、
実は他の方々によって、CGIが出力するHTMLドキュメント自体の見直しも進めら
れていたのです。大きなところではタグや改行の省略に始まり、最後には、日
付を表す

2001/08/12(日) 23:10

といった文字列を、

01/08/12 23:10

のように変換する、といった手の掛けようで、1バイトさえ惜しいと言ったこれ
らの努力の涙ぐましさは、私が初めてWebに触れた当初を思い出させるのに充分
でした。一般に技術の進歩は決して人間の需要には追いつかないと言われてい
ますが、ネットワーク技術の向上においても、我々は当分の間、帯域不足に悩
まされ続けるのかも知れません。