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というわけで、2ちゃんねる閉鎖騒動のお話も終わったことですし、また別の話
題で続けていきたいと思うのですが、その前に、1つ気になることがあります。
実は前回の私の記事の反応が異常なほど良かったんですね。自分としてはただ
のまとめをしたつもりなので、かなり意外だったんですが、もし良かったら前
回分のどの辺が読者の皆さんの琴線に触れたのか教えていただけないでしょう
か?

まぁ他人にばかり頼るのも何なので自分でも考えてはみたのですが、思い当た
る部分と言えば、

「昔話って反応良い?」

くらいでしたね。というわけで、今日は昔話をしてみようと思います。

皆さん、Webの歴史(正確にはWWW = World Wide Web)ってどのくらいか知ってま
すか? これは一般に1989年頃、CERN(http://www.cern.ch/)で開発されたとされ
ています。だいたい11年前ですね。インターネットの誕生が、ARPANETから数え
れば32年前ですから、インターネットの歴史の中では比較的最近の出来事でしょ
う。

もちろん、この頃のWebは、音楽も動画もなく、それどころか画像すらありませ
んでした。ハイパーテキストという、ドキュメント間に関連を持たせるという
基本的な技術があっただけです。もちろんこの、「ドキュメント間に関連を持
たせる」というとても簡単な仕組みが、後に世界中を巻き込んで行くことにな
るわけですが。

しかし、この頃のWWWに対する反応は、物珍しさが先立ち、あまりぱっとした物
ではありませんでした。日本では、KEK(当時の文部省高エネルギー加速器研究
機構 http://www.kek.jp/)が小さなWebサイトを開設したに過ぎなかったと記憶
しています。

これの、あまりぱっとした評判のなかったWebが大ブレイクするきっかけとなっ
たのが、1993年にリリースされたx-mosaic1.0、いわゆる「モザイク」です。こ
れは今までのWebブラウザに比べ、画像が扱えるという利点があり、当時(と言っ
ても私がMosaicを知ったのは1994年の夏頃でしたが)学生だった私も、一生懸命
コンパイルした記憶があります。

とにかく、当時のネットワーク環境では、画像の交換は大変困難なことであり、
私も友人に写真を送る際に、わざわざ画像を圧縮し、メールで送れるように文
字符号化して送っていたものです(今もMIMEという仕組みによって同じ事をメー
ラーが自動的にやってくれているのですが)。それが、一度サーバーに画像をアッ
プロードすれば、誰にでも閲覧させることができ、逆に他人が公開している画
像を自由に閲覧することができるのですから、その興奮はかなりのものでした。

ちなみに、大学の研究所などでは、顔の画像や自己紹介(そして申し分に論文な
ど)を掲載した個人ページが乱立しました。個人ページのことを「ホームページ」
と呼ぶ誤謬が生まれたのもこの頃だったと記憶しています。

もちろん、Webが急成長するようになった要因は、他にも色々あるでしょうが、
私としては当時の状況を思い出すにつれMosaicというグラフィカルなブラウザ
の出現が一番大きかったと考えています。

さて、今回はWeb誕生前夜あたりの昔話をしてみましたがいかがでしたでしょう
か? また例によって、読者の反応を見てみたいと思いますが、好評のようでし
たら、もう少し続けていこうと思います。