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No54.txt

さて、擬似日本語ドメインの話を進める前に、FQDN(Fully Qualified Domain
Name)とは何かをもう一度追ってみましょう。

FQDNは、一意にあるサーバー(ホスト)を指し示す名前(ID)として理解されている
方が多いかと思います。たとえば、www.web296.comとは、web296.comのWWWサー
バー(ホスト)の名前、と言うようにです。

しかし、実はある1つのFQDNが複数のホストを指し示す事もありますし、逆に複
数のFQDNが1つのホストを指し示す事もあります。FQDNは、ホストを示す手段と
しては実はかなり便宜的で曖昧なものなのです。

実際には、あるホストを一意に指し示すためにはIPアドレスが使わます。ご存知
のようにIPアドレスは、4つの数字をピリオドで区切った、「127.0.0.1」のよう
な形式を取っていて、TCP/IPではホスト間の通信にFQDNは使われず、IPアドレス
のみが使用されます。

では、なぜユーザーは、IPアドレスを意識せずにFQDNを指定するだけで目的のホ
ストに辿り着けるのでしょうか。ここで登場するのがDNS(Domain Name Server。
よくDNSサーバーという言葉を耳にしますが、チゲ鍋な上トリコロール・カラー
ですので気をつけましょう)です。DNSは、ホストからFQDNを受け取り、それに対
応するIPアドレスを教えてくれるサーバーの事です。

話が逸れましたが、要するに擬似日本語ドメインも、DNSサーバーに日本語の
FQDNを登録しておいて、対応するWebサイトのIPアドレスを記述さえすれば良い
事になります。

早速試しに「TOKYO自民党.jp.io」をDNSで検索してみましょう。

% nslookup 'TOKYO自民党.jp.io'
Name:\163\212\163\207\163\203\163\217\163\207\188\171\204\177\197\222.jp.io
Address: 210.146.53.28

ちょっと文字化けしてますが、エラーも出ずに結果が出ています。「
210.146.53.28」が「TOKYO自民党.jp.io」のIPアドレスという事になりま
す。今のはEUCで試したので、次はJISとShift-JISを見てみましょう。

Name: \027#T#O#K#Y#O<+L1E^\027(B.jp.io ←JIS
Address: 210.146.53.28 Name:
\130s\130n\130j\130x\130n\142\169\150\175\147}.jp.io ←Shift-JIS
Address: 210.146.53.28

素晴らしい。ともに対応しているようです。

では、自民党は飽きたので、つぎは社民党行ってみましょう。

% nslookup '社民党.jp.io'
Name: \188\210\204\177\197\222.jp.io
Address: 210.146.53.28

おや? 自民党とIPが同じですね。自民社民でサーバー代を折半してるんでしょう
か? 他の文字コードはどうでしょう。

Name: \027<RL1E^\027(B.jp.io ←JIS
Address: 210.146.53.28
Name: \142\208\150\175\147}.jp.io ←Shift-JIS
Address: 210.146.53.28

やはり同じようです。これは一体どういう事なのでしょう?

と、民放ばりのタイミングですが、ここで真相の究明は次回に持ち越します。い
つも続きものになってしまって申し訳ないのですが、次号ご期待ください。