02-03 シーズン ニューモデル試乗会レポート


02-03 シーズン ニューモデル試乗会のレポートです。 ちなみに以下のレポートはかなり超個人的私見で書かれていますので、 読んでいただくに当たって、へろのプロフィールをしっかりと 頭に入れておいてもらった方が良いと思います。

試乗者へろ
年齢自称 29
性別オス
レベル1級
板の好み鋭く敏感な板
今使っている板NORDICA Wave 99-00 Model 180cm
NORDICA Z-XT 00-01 Model 160cm


ICI 石井スポーツ試乗会

日時: 2002年 4月 6日 (土)
場所: 三国スキー場
天候: 曇 時々 晴
雪質: ぐさぐさ悪雪

今年20周年を迎えた ICI の試乗会です。既にクローズしている三国スキー場を貸し切って
行われました。試乗用の板は主催者発表で約500台。主なメーカーは
ほぼ揃っていて、(ちょっと待てば)乗りたいモデルにはほぼ確実に乗れました。
フリー滑走コースはさすがに春ということもあり、昼前からかなりグサグサの
重い雪になってきました。
その他、有名人も多数来場、我満嘉治さん、岸昇治さん、伊藤敦さん、佐々木明選手など。
また昼過ぎにはなんとオーモット選手が来場して、サイン会を開いていました。
そんな中、ノルディカ、サロモン、フィッシャーを中心に十数台乗ってきました。
以下、各板の簡単なレポートです。

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ROSSIGNOL <ロシニョール>
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[Power Pulsion 9S 150cm] ★★
	乗った瞬間、ロシらしいしっとりした乗り味が。
	これは期待できるかも、と思ったが、実際に滑り始めてみると
	思ったよりしっくりこない。不整地の安定性もイマイチ。
	去年までの 9S は非常に好きだったのだが、今年は去年までのいい意味での
	小気味好いキュンキュンといった印象や安定感などはあまり感じられなかった。
	残念な一台。

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SALOMON <サロモン>
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[Equipe 10 3V 160cm] ★★
	SL マシンなのだが、長さがちょっとあるためにあまり軽快さは感じられない。
	どちらかというとズシ〜〜というか、ノペ〜〜というか、雪面にへばりついて
	安定している感じ。印象としては GS 板に近いかも。
	個人的に好きなタイプと異なるため、印象悪し。

[Equipe 10 3V 150cm] ★★★★
	上の160cmと全く同じ板のサイズ違いなのだが、乗り味は全然全然全然違う。
	小回り軽快、クルクル回る。跳ね返りもあるため、乗っていて非常に楽しい。
	ただ長さが短いので安定性がイマイチ悪い。
	というわけで、この板のベストサイズは 155cm と読んだ。
	(155cm は残念ながら試乗せず)

[Demo 9 3V Pilot 160cm] ★★★
	デモシリーズ最高峰の Demo 10 の一つ下のモデル。
	それほど重さも感じられないので、操作性は良い。
	ただスピードを出して不整地を滑ると多少板のばたつきが見られ、
	その処理に苦労した。
	1級未満程度のスピードなら特に問題はないかもしれないが、
	それ以上のスピードになると、このばたつきは結構気になると思う。
	確かにメーカーもその程度のレベルをターゲットにしているから、
	良いといえば良いのだが。。
	10 だともう少し安定するのかな。でも 10 は重いんだよね。。

[Teneighty Mogul 170cm] ★★★★
	里谷多英が銅メダルを取った純モーグルモデル。
	今回の試乗会ではコブ斜面がなかったのでコブでの試乗は出来なかったが
	整地小回りはカナーリ楽しかった。
	安定しているし、板の反発も小気味好いし、軽快だし、
	下手な振動も起きないので的確にスイートスポットに乗っていけるし、
	非常にいい印象をもった。
	大回り、、? あ、忘れた。やっときゃよかった。

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HEAD <ヘッド>
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[Worldcup i. SL 170cm] ★
	本当はもっと短い板に乗りたかったのだが、なかなか空かないので
	しょうがなく 170cm に乗ってみた。
	しかし、やっぱり長かった。全然扱えなかった。普通の小回りさえ出来ない。
	普通の1級レベルが乗る板ではないと思う。

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FISCHER <フィッシャー>
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[SCENEO 500Ti 160cm] ★★★
	メタル入りの、SCENEO シリーズとしては一番頑丈(?笑)なモデル。
	確かに安定はしている。操作性もよいのだが、なぜか自分と波長が合わない。
	良い板だと自分の体の一部のように感じるのだが、この板はどうしても
	自分の体の一部になってくれないのだ。
	足の先に幾何学的な部品が取り付けられたような感覚だ。
	(イメージとしてはガンダムの足のような感じ)
	なので、そういうもんだと割り切ってしまえば安定もしてるし、いい板なのだが、
	どうしても自分としては人間味が感じられないのが、ねぇ、、。
	というわけで、ちょっと辛口評価。

[SCENEO 400 CB 160cm] ★★★★
	赤い板。400 は 500 のトップダウン機種ではなく、まったく別の板という記事もあったが、
	まさにそういう印象。個人的には 400 のほうが扱いやすく、好印象を持った。
	安定感もかなりあるので、問題ない。
	ただ、500 で感じた幾何学的な部品というイメージが 500 ほどではないものの、
	この板も多少持ち合わせているので、そのあたりで個人的な評価が落ちている。
	まあそういうことを考えないのなら、オールラウンドで使える非常に良い板だと思う。

[RC4 SC 160cm] ★★
	スラ板。乗った瞬間カラカラという音が、、。
	乗ってみてもそんな感じ。非常に乾いた感じで、しっとりとしたたわみが感じられない。
	安定感はぼちぼちあるほう。
	今回の試乗は軟雪不整地なので、こういう純競技モデルはそういう雪にはむかないと
	言われればそれまでなのだが、それにしてもちょっと寂しい。
	もうちょっと楽しませて欲しかった。

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OGASAKA <オガサカ>
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[Triun S 155cm] ★★★★
	自分も元々オガはあまり好きなほうではなかったのだが、
	今年のトラSは非常によいという噂を聞いたので、先入観を捨てて素直に乗ってみた。
	結果、非常に安定性もあり、またサンドイッチ独特のしなやかで心地よいたわみもあり、
	押せば返すレスポンスも非常に心地よく、乗っていて楽しさと安心感を感じさせて
	くれる板だった。
	乗った印象としては、ほぼ満点評価。
	ただ非常に繊細に出来ているので、もしかしたら1シーズン持たないで
	ヘタってしまうかも、という不安も覚えた。
	ま、この辺は純競技モデルということで、しょうがないかな。
	あと、デザインが、、、。

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NORDICA <ノルディカ>
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[K12 GS 184cm] ★★★
	R>=21 の FIS レギュレーション対応 GS モデル。
	安定していた。が、R=10程度の板に慣れてしまった自分にとっては
	あまり心地よい感じはしなかった。
	レース板としては、完成度は高いと思う。
	純 GS として考え、基礎用には考えないほうがよいだろう。

[K12 SL 155cm] ★★★★★
	びっくりした。この板は、いったい何なんだ。
	はっきり言って、非の打ち所が全く無い。完璧な板である。
	まず安定性。SL板でありながら、悪雪不整地大回りを他のどの板よりも安定して
	滑らせてくれた。板のばたつきなどは全くの皆無。
	なので人間が板のばたつきを抑えるという操作がいらないため、
	非常に気持ちよく、能動的に滑ることが出来る。
	次に操作性。低速では非常にしなやか。とても優しい印象。
	しかし徐々にスピードを上げていくと、それに合わせるかのように内に秘めた剛性を
	徐々に出してきて、自分のスピードと圧に完璧に合わせてくれた。
	板との対話が非常にスムースに行える。こんなに素直に対話が出来た板は初めてだ。
	従順でありながら芯が強く、包容力もあり、機敏である。
	良いという言葉を完全に越えた、すばらしい板であった。
	もちろん今回の試乗会の中で一番気に入った板であるが、
	自分の今までのスキー人生の中で出会った板の中で考えても、最高の板だと思う。

[K10 SLC 153cm] ★★★★
	K12 が完全純競技モデルなのに対して、K10 はもう少しオールラウンド性を持たせたモデル。
	なかなか安定しているし、操作もしやすい。良い意味での遊びがある。
	長さを選べばコブもいけそうな感じである。

[BEAST 69 177cm] ★
	まず、試乗した板が長すぎた。まったく取り回しが効かなかった。
	板全体が重い。しかも結構固い。なので普通の小回りすら出来ず。
	デザインも含めて、個人的に全然気に入らなかったモデル。

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Hiroaki YAMAOKA (heroaki@tt.rim.or.jp)
Last Modified: Monday, 10-Apr-2000 11:18:29 JST