★新約聖書
トホ妻は幼稚園〜大学までずっとミッション系の学校で過ごしておりますから、ワタクシに較べて聖書について格段に詳しいのも当然。もちろんワタクシとて映画や宗教絵画等々を通じて多少の知識は持っておりますが、幼少時より鍛えられたトホ妻には到底かなうものではございませぬ。何せ以下に御紹介するようなスゴい“教育ツール”で鍛えられたトホ妻でございますから…。
対談場所：いわんや家寝室・「ベン・ハー」のビデオを観終わって
いわんや「そういや、コドモの頃学校で『ベン・ハー』観に行ったって言ってたよな？」
トホ妻 「行ったわよ、ミッション系だったから。『ベン・ハー』も行ったし『十戒』も観に行ったわよクラス全員で」
いわんや「『十戒』も行ったのか？あれって半裸の踊りシーンとか、けっこうあるけど、コドモに見せても…まぁ別にいいか、あのくらいなら」
トホ妻 「『十戒』観に行った時のことはよく覚えてるわよ〜。例の『過ぎ越しの夜』のシーンなんかとにかく恐くてさぁ、隣に座ってたチアキって子は映画館の中で泣き出したんだから（笑）」
いわんや「ふははは…まぁ確かにあのシーンはコドモにはコワいわな（笑）」
トホ妻 「まだ小学校2〜3年だったんじゃないかなぁ？泣くコがいても不思議じゃないよ」
いわんや「ふーむ、そんな小さい頃から宗教教育されたわけだ。オレなんて聖書の話なんて『ベン・ハー』とか、『ジーザスクライストスーパースター』とかさ、映画でしか知らねぇぞ」
トホ妻 「でもね、ああいう映画何本も見てればソコソコは詳しくなると思うよ。アナタだってヒト通りのことは映画で覚えちゃったでしょ？」
いわんや「まぁなぁ…そりゃユダが裏切ったとか、ペテロがしらばっくれたとか、その辺は知ってるけどさぁ…」
トホ妻 「ペテロってね、12使徒の中じゃけっこう人間的なところがあってさ、ヨハネみたいにスカした野郎じゃないから人気あるのよ」
いわんや「ペテロがぁ？だって、だってアイツは『オマエはイエスの仲間だろ』って言われて『そ、そんなヒト知りましぇ〜ん』って言っちゃう、ダメなやつなんだろ？」
トホ妻 「何言ってんのよ。『ペテロの否認』のトコは新約聖書の中でも最も感動的な場面なのよ。コドモの頃学校でやったカルタにもなってたもん」
いわんや「何になってたって？」
トホ妻 「カルタ」
いわんや「…？…かっ…カルタ？ペテロが？」
トホ妻 「形式はいろはガルタなんだけどさ、それが全部キリスト教の…まぁ言うなれば教えのコトバになってるわけ。アタシの学校ではみんなやってたはずよ。ペテロはたしか『と』だったな」
いわんや「『と』…」
トホ妻 「『とりが鳴いたらペテロも泣いた』っていうんだったわ。よく覚えてるでしょ」
いわんや「…ぶぶっ！…なんだそりゃ？…何でトリが出てくるのさ？」
トホ妻 「だからさぁ、イエスは最後の晩餐の時ペテロに『オマエは明朝、トリが鳴くまでに3度私を知らないと言うだろう』って予言するでしょ？」
いわんや「トリなんて出て来たっけ？映画ではただ『お前は私を知らないと言うだろう』って…」
トホ妻 「言うんだってば！ちゃんと聖書にもそう書いてあるんだから！『鶏が鳴く前に3度私を知らないと否認する』って言うのよイエスは！」
いわんや「わ、わかった、言う言う。そんで？」
トホ妻 「で、ペテロがホントに翌朝「ナザレのイエスなんて知りましぇ〜ん」ってしらばっくれるじゃない？3回しらばっくれたところで鶏がコケコッコーって朝を告げる」
いわんや「はぁ…」
トホ妻 「で、ペテロは自分の弱さをイエスに見抜かれていたことを知って、ザンキの念に耐えかねて激しく泣くわけよ。ね？感動的でしょ？」
いわんや「う、う〜…だから『トリが鳴いたらペテロも泣いた』ってワケかよ…しかしそういうカルタで宗教教育を受けたヤツってのも珍しいんじゃないの？」
トホ妻 「まぁミッション系の学校出た人はいるだろうけど、あのカルタやった人はちょっと珍しいかもね（笑）。他にもあったわよ。『ろ』はね、『ローマにパパ様いらっしゃる』っていうの」
いわんや「…ローマにパパ様…パパ様って誰さ？」
トホ妻 「ローマ法王に決まってるじゃないよ」
いわんや「ははぁ…」
トホ妻 「ああ〜〜、懐かしいなぁ、あのカルタ！あとどんなのあったっけなぁ…？」
いわんや「じゃぁナニか？そのカルタを床に撒いてさ、読み手が『トリが泣いたらペテロも泣いた〜』って言うと皆で『あったあった！』とかバタバタやって遊ぶわけかよ？」
トホ妻 「そうよ。文句ある？」
いわんや「…ふ、ふぅぅ〜ん…（相当変わってるなぁ、と思いながらも恐いから言えない）」
この対談をお読みになった方の中でこのカルタをやったことがあるという方は…まぁ一人もいらっしゃらないでございましょう。ペテロというヒトはカトリックの総本山・聖ピエトロ大聖堂の名称にもなっているくらいでございますから12使徒の中では最も有名な弟子の一人であるのは確かでございますが、まさか東洋の島国でカルタになるほどになるとは思いもしなかったことでございましょうねぇ…。
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