★フェルメール&ルーベンス

 今東西の画家の中でも特にフェルメールを好きなトホ妻。大阪で開かれている「フェルメール展」が東京では開催されないという事実が彼女の機嫌を良くするはずがございません。しかも、ほぼ同時期に東京で開かれているのがよりによって……それにしてもこの「トホホ芸術対談集」でこれだけ取り上げられるのですから、ルーベンスというのはやはり偉大な画家と申すべきでございましょう。

対談場所:いわんや家Mac部屋

トホ妻 「ねぇ、今大阪で『フェルメール展』やってんのよね?」

いわんや「おお、トホ妻帝国の掲示板でも大阪の人が実際に観に行ったって書いてたぞ」

トホ妻 「あれ東京には来ないんでしょ?」

いわんや「さぁ〜…あんまり聞かないから来ないんだろうなぁ…」

トホ妻 「何で来ないの?!許せないよね、ソレって」

いわんや「大阪のテレビ局だか何だかが関係してるんじゃなかったかな…?ま、とにかく東京に来るって話は聞かないよな。来るとすれば大々的に宣伝するはずだし…」

トホ妻 「しかも大阪はフェルメールなのに何で東京はルーベンスなわけ?…」

いわんや「(トホ妻に怒りのオーラのキザシが見えたので少し警戒しながら)しっ…知らないよそんなこと…しょうがないじゃん」

トホ妻 「アッタマ来るわよねぇ〜。しかもほとんど同じ時期にだよ?大阪じゃフェルメール、東京じゃルーベンスって、それほとんど東京に対する嫌がらせだと思わない?(怒ってる)」

いわんや「(何とかルーベンスから話題を転換しようとして)た、確かさぁ、大阪のフェルメール展って、5枚くらい来てるんだよな」

トホ妻 「しかも『ターバンを巻いた少女』とか来てるわけでしょ?あああもう許せない!ところが東京じゃよりにもよってルーベンスだよ、え?“肉のタワミ”ルーベンス!」

いわんや「(話題を転換する努力を継続中)でも…う…5枚ってスゴいよな?フェルメールの作品って世界中に40枚くらいしかないんだろ?」

トホ妻 「うーんとね…たしか35〜36枚くらいじゃなかったかなぁ。そのうち間違いなくフェルメールの真作っていうのが30枚くらいであとは真作かどうか、ややクエスチョンなのよ」

いわんや「(話題が変わった様子にややホッとして)つまりあとの5〜6枚は“はてなフェルメール”なわけだ」

トホ妻 「そうそうそう“はてなフェルメール”。ほらフェルメールってさ、一時贋作がはやったりしたからアヤシゲなやつもあるみたいよ」

いわんや「(話題が変わってすっかり安心)おー、有名だもんなぁ。ナントカっていう贋作画家がさ、自分がフェルメールのニセモノを描いたことを立証するために刑務所でもう1枚描いてみせたなんて話を読んだことあるぞ…」

トホ妻 「とにかく異常に点数が少ないもん…希少価値は高いよ」

いわんや「30枚の真作のうち5枚が来るとすればだよ…うー…(暗算する)…世界中のフェルメールの約17%が大阪に集まるってことになるわけか」

トホ妻 「……17%も!…なのに東京はルーベンスと来たもんだ…ええ?あんな何千枚だか描いたヤツの絵が何百枚東京に来たってち〜っっっとも嬉しくないわよ!」

いわんや「……そう…だな……(話題の転換に失敗した自分を責める)」

トホ妻 「何で東京でもやらないの?フェルメール展!ルーベンス展なんてヤメちまってフェルメールの方をやれって言いたいわよ。大体ね、ルーベンスなんて…」

(以下、トホ妻の怒り続く)

 ーベンス氏には誠に申し訳ないのですが、ワタクシ自身、できることなら二つの展覧会を東京と大阪とで取り替えて欲しいような気がするのでございます。ワタクシ、通勤で通る新宿駅で「ルーベンスとその時代展」の巨大ポスター(「ナントカとカントカ」という題名の、筋肉隆々のジジイが太った女をつかんで空に浮いている絵)をここ2ヶ月くらい毎日のように目にし、すでにもう一生分のルーベンス観賞ノルマを達成したような気分になっているのでございます…。

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