★ギリシャ神話

 西洋絵画などではしょっちゅう題材になるギリシャ神話。しかし、ウルトラマンやサンダーバードに関してであればトホ妻をはるかに凌駕する知識を持つワタクシも、コトこの分野に関しましてはいささか不得手としておりまして、ギリシャ神話の有名なエピソードや登場人物の名前などロクに知らないのでございます。ところがトホ妻はこういうことになるとけっこう詳しく、時にはワタクシにいろいろと説明してくれるのでございますが、どうもそれがいかにもアヤシゲで…。

対談場所:いわんや家寝室・布団の中

いわんや「あしたBS放送で『ナクソス島のアリアドネ』(注:オペラの題名)やるぞ」

トホ妻 「あー、そうだったわね。録画しようかな」

いわんや「俺、全然知らないんだけどさ、『ナクソス島のアリアドネ』ってどんな話なんだ?モトはギリシャ神話の中の話なんだろ?」

トホ妻 「そうよ。『ナクソス島のアリアドネ』っていうのと、あと『タウリス島のエフゲニア』っていうのが二個セットみたいによく言われるのよね」

いわんや「ふ〜ん…知らねぇ…トロイの木馬くらいなら知ってっけど…」

トホ妻 「アレは神話じゃなくて歴史よ。それじゃさ、トロイ戦争のキッカケって知ってる?」

いわんや「へへ〜ん♪知ってらい。ヘラとビーナスとアテナの中で“誰が一番美人か?”ってパリスが選ばなきゃならなくなって、結局“世界一の美女をやる”っていうビーナスのワイロに目がくらんだパリス君が“ビーナスさんが一番キレイで〜す”って言うんだろ?(得意満面)」

トホ妻 「ふふん…“パリスの審判”知ってるからって得意になって…じゃ、そのワイロになった世界一の美女が誰だか知ってんの?」

いわんや「…だから…その…び、美女だよ」

トホ妻 「素直に知らないって言いなさいよね。その世界一の美女がヘレナっつー女でさ、パリス君がヘレナをさらって行ったもんだから、取られた連中が怒って戦争を仕掛けるわけ。それが発端」

いわんや「女の取り合いから始まるのか?トロイ戦争ってずいぶん下らねぇ戦争なんだな」

トホ妻 「大体ほら、ギリシャ神話のゼウスからして、ああいう好色オヤジだからさ(笑)」

いわんや「しかしちょっと待て。ビーナスだゼウスだって言うけどさ、ソイツらはみんな神話上の人物なんだろ?実在しないんだろ?」

トホ妻 「そりゃそうよ」

いわんや「トロイ戦争ってのは実際にあった歴史なんだろ?さっきそう言ったよな?」

トホ妻 「…まぁ…そういうことになってるわね。」

いわんや「何で実在しない連中が原因になって実在したトロイ戦争が起きるのさ?ヘンじゃん。そしたらさ、さっきのパリスとかヘレナとかって連中は実在したヤツらなのか?神話なのか?」

トホ妻 「そのへんは…ほら、なんつーか…実際の歴史と神話の間にさ、一種のグレーゾーンがあるワケよ、ね?」

いわんやグレーゾぉ〜〜〜ン?何だよそれ?つまりパリスとかヘレナとかって連中はその“グレーゾーンのヒト”ってことかよ?」

トホ妻 「そうそうそう」

いわんや「それじゃソクラテスやアルキメデスはどうなのさ?」

トホ妻 「ぶぶっ!ソイツらは実在の人に決まってるじゃないよ!」

いわんや「じゃ例えばさ…う…(必死にギリシャ神話らしき名前を考える)…か、カシオペアとかペルセウスとか(苦し紛れに星座の名前を言う)、アイツらはどうなのさ?」

トホ妻 「だからその辺はグレーゾーンなんだってば」

いわんや「…なぁ、よくわかんねーヤツはみんなグレーゾーンって言やぁいいと思ってないか?」

トホ妻 「何言ってんの。旧約聖書だってそうでしょ?アダムやイブは完全なド神話だけどさ、これがモーゼあたりになってくるとやや実話っぽくなって、つまりグレーゾーンなワケよ。わかった?」

いわんや「…そう…かぁ?…(何となく丸め込まれたという気分を払拭できないいわんや)…」

 ぁ確かにそう言われればそういうモンなのか…という気も致しますが…しかし本当にそうなのでございますか?とにかくトホ妻は答えに窮した時は「とりあえずホラでも何でも言ってみる」という、とんでもない女でございますからワタクシには今一つ「グレーゾーン説」の信憑性が感じられないのでございます。まぁ神話なんてモノは大体この程度に怪し気なモノ、と考えれば良いのかも知れませぬが…。

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