★アルプスの少女ハイジ

 「アルプスの少女ハイジ」は言わずと知れた世界名作文学の一つ。原作を読んでおられずともアニメで御存知という方も多いはずでございます。ところが名作文学とは縁のない幼少期を送ったワタクシ、もちろん原作は読んでおらず、アニメもほとんど見ておりませんでした。以下の対談は「アルプスの少女ハイジ」の骨子をトホ妻がワタクシに語った時の会話でございます。

対談場所:いわんや家布団の中

いわんや「そもそも、ハイジは何だってアルプスにいるのさ?」

トホ妻 「確かねぇ、ハイジは両親が早く死んで、最初オバさんか誰かに育てられるんだけど、そのうちアルプスのあのおジイさんとこに預けられるのよね。死んだお母さんの父親だったかなぁ…わりと人嫌いっていうか、世捨て人みたいなおジイさんなのよ」

いわんや「ほお。で、元気いっぱいのハイジはたちまち周囲に明るさを振りまくって展開だな」

トホ妻 「そうそうそう。何しろほら、アルプスじゃない、ラリホ〜♪って日々を送るわけ」

いわんや「(笑)ヨ〜ロレイヒ〜♪って日々なわけだ」

トホ妻 「そうそうそう(笑)。で、しばらくアルプスでラリホ〜♪な生活を送って暴れまわったハイジはそのあと都会に行くのよ、フランクフルトに」

いわんや「何しに?」

トホ妻 「フランクフルトの立派なお屋敷にクララちゃんっていう足の悪い女の子がいて、そのクララちゃん用遊び友達みたいな感じで行くのよね」

いわんや「ふーん…で、ハイジはフランクフルトでもラリホ〜♪な明るさを振りまいて、そこらじゅうに迷惑をかけ倒すってワケだな」

トホ妻 「そうそうそう。でもね、ハイジはそのラリホ〜♪な世界から急に都会に来ちゃったもんだから一時ちょっと病気になるのよ。夢遊病みたいにな感じになって…」

いわんやラリホ〜♪が切れちゃったからか…で、フランクフルトからアルプスに戻ると…」

トホ妻 「戻ると、ほら、たちまちラリホ〜♪を補給してアッと言う間に治っちゃうわけ」

いわんや「それで終り?」

トホ妻 「違う、そのあとが肝心。今度はクララちゃんがアルプスに来るのよ。で、来たらクララちゃんもたちまちラリホ〜♪になっちゃうわけ」

いわんや「つまりアルプスのラリホ〜菌に感染するワケだな(笑)」

トホ妻 「そうそうそう。で、ラリホ〜菌に感染したクララちゃんは足が悪かったのに、何と歩けるようになっちゃうのよ、これが」

いわんやラリホ〜菌の力でか!そりゃすごい」

トホ妻 「でもアタシ、ハイジみたいな、ああいう“あたしってとっても明るくて元気で一生懸命”っていう感じの女って好きじゃないのよね、コドモの頃から好きじゃなかったの」

いわんや「ほぉ…」

トホ妻 「小学校の時さぁ、ハイジの話を教科書か何かで読んで、そのあと一人ずつ感想を言わされたことがあったのよね」

いわんや「どうせまた、教師に“イヤな子供”って思われるようなコト言ったんだろ」

トホ妻 「そうなのよ(笑)。何て言ったと思う?」

いわんや「…わかんない」

トホ妻 「“ハイジはとても好奇心の強い女の子だと思います”って言ったの」

いわんや「……」

トホ妻 「先生、けっこう動揺してたね(笑)。慌てて“皆さん、好奇心が強いってどういうことかわかりますか?”とか言ってたよ」

いわんや「…イヤな子供…」

 ボロな記憶では、確かワタクシの小学生時代にけっこう有名になった西洋ポルノ映画で「私は好奇心の強い女」という題名のものがあったはずでございます。もしトホ妻がそれを知った上で学校で上述のように言ったのだとしたら、その性格悪さは子供時代から天下一品だったと申せましょう。それにしても「アルプスの少女ハイジ」のストーリーの核心がラリホ〜菌の感染にあったとは…。原作もアニメもロクに知らないワタクシにとって、もはやハイジは「ラリホ〜菌に感染した好奇心の強い女の子」というイメージで規定されてしまったのでございます。

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