教授とその妻


 家庭など全く顧みず、学究生活ひとすじに30年を捧げた大学教授。研究に没頭するあまり、妻の誕生日にプレゼントを買ってあげたことすら一度もないんだから奥さんにしてみりゃ面白いはずがない。

「あなたは結婚以来、あたしに一度としてプレゼントをくれたことがないわ…」そんな妻の言葉がさすがに応えた教授。何とか名誉回復を、と思いつつも何しろ経験がないもんだから何を贈ればいいのかわからない。だが、ある日得意満面で家に帰るとこう言った。

「今日こそは君にすばらしいプレゼントを贈れるよ!僕が発見した新種の病原菌ウイルスに君の名前を付けたんだ!」