親友とは


 自他ともに無二の親友同士と認め合う2人の男。ある日、一人がぽつねんとバーで杯を重ねているところにもう一人が現われた。

 「よう、どうしたい。独りぼっちで」

 「実はね、女房のヤツがいなくなったんだ。俺の親友と昨夜、駆け落ちしてね」

 「ちょっ、ちょっと待て。確かに俺はお前の親友だが、お前の奥さんとなんか決して…」

 「あの女房を俺の前から連れてってくれた奴こそが今や俺の親友だね」