熱砂の欲望


 ある商人が荷物を積ませたラクダと共に灼熱の砂漠を旅していた。荷物はラクダに積ませ、彼はそれに引かれながら自分の足で歩くのだから疲労はラクダに乗った時の比ではない。そのうえ照りつける太陽…朦朧とする意識…。

 やがて男は不思議な性欲の高まりを感じ始めた。熱い砂の上にいるのは自分とラクダだけ。…男は朦朧とした意識のまま目の前にあるラクダの尻を見ているうちに、もはや性欲の高まりを抑制することが出来なくなってきた。そして、ついに衝動を抑えきれずに欲望に燃えた目でラクダの尻に挑みかかろうとしたその時、目の前に息も絶え絶えの女が横たわっているではないか。

 「お、お願いです…水をください。水をくださるなら私は何でもあなたの言うことを聞きます…」

 見ると女はかなりの美人。しかもこの暑さで服装はほとんど半裸に近い状態である。

 「よし、水をやろう。だが、何でも俺の言うことを聞くと言ったその言葉にウソはないな!」男の目に宿る欲望の光が一段と輝きを増したのは言うまでもない。

 やがて水をもらって元気を回復した女。もはや覚悟はできている。「ありがとうございました。何でも言うことを聞くと言った約束は守ります。さぁ、何なりと…」

 もはや男は好色な笑いを隠すことができない。「ふふふ…ではな、すまんがしばらくの間、そのラクダの後ろ脚を押さえていてくれないか」