帝国科学研究所・画期的シミュレーターを開発!   2002年12月2日 科学面

 ホ妻帝国科学研究所のウラジミール・トホホフ博士は先頃、画期的な未来予測シミュレーターを開発したと発表した。このシミュレーターは、ある人間の将来的な姿をコンピュータが予測し、モンタージュ写真のように即座に表示するという予測システムの一種であると言われていたが、その詳細は謎に包まれていた。しかし、我が帝国タイムスは、このたびトホホフ博士との単独面会に成功。この未来予測シミュレーターの全容を世界で初めて明らかにした。

 

記者「博士、さっそくお聞きしますが、このたび開発された未来予測シミュレーターとは、一口に言うと、どんな機械なのでしょうか?」

博士「あー、ズバリ申せばじゃ、要するに特定の人物の現在の頭髪状態を入力し、特殊な解析計算を行うことによって、その人物の将来の頭髪残存状況を予測する、ということじゃな」

記者「…は?…つまりナンですか?単にハゲっぷりを予測するシステムってことですか?なぁんだ…」

博士「なぁんだとはナンじゃ!いいかね?人間というのは弱いものじゃ。自分のハゲを冷静かつ客観的に予測できる者などおらん。大抵は『まだ大丈夫』とか『山下監督よりマシ』とか、都合のイイことを考えて誤魔化そうとする。このシステムはそういう曖昧なヒューマン・ファクターを全て排除し、冷徹な計算によって精密なハゲ予測を可能にしたわけじゃよ。まさに画期的研究成果だと思わんか?」

記者「う、う〜ん…ワタクシには『それがどうした?』…としか思えないんですが…」

博士「だまらっしゃい!現在は試作機の段階じゃが、『ゲーハー・シミュレーターXP』という名称もすでに決まって、来年から量産開始、全国の電器屋サンで売られる予定なのじゃ!ハゲにおびえる世界中の男どもにとっての福音になるであろうぞ!」

記者「はぁ…と、とにかく話だけじゃよくわかりませんから、一度そのゲーハー・シミュレーターとやらを動かしてみて下さいよ、博士」

博士「よろしい。では早速キミで試してみようじゃないか。お?おお…キミはもうすでに前髪のあたりがややキテおるな…ちゃんと頭皮のマッサージをせんからこういうコトに…」

記者「……博士…そんな話、今は聞きたくありません」

博士「ふほほ…実は気にしておるな?よろしい。じゃここに座って…このモニタを見たまえ。ほれ、ここに現在のキミの毛髪状態が表示されておるじゃろ?」

 

  

  

記者「ふむ確かに…。まぁこんなモンですかね。しかしもうちょっと画像が大きくならないんですか?博士…」

博士「うるさい。もともとアイコン用に作った画像だから仕方ないのじゃ。さて…ではこの現在の姿に『5年後』という予測条件を与え、『ゲーハー速度指数・並』という変数を入力してだな…これでリターンキーをポンと押すと…」

 

 

 

 

記者「がぁ〜ん!こ、こりゃリアルだ!いかにもなりそうだ!すごい。まさに画期的発明ではないですか博士!あ〜あ…5年後のオレはこうなるのぉ?…まぁこの程度は仕方ないか…」

博士「キミ、こうなると決まったわけじゃないよ。例えばだね、『5年後』という条件はそのままで、『ゲーハー速度指数』の方を少し高めに設定するとだね…」

 

 

 

 

記者「ぎゃーッ!ここまでイッちゃうんスか?何とかして下さいよ、博士ぇ〜」

博士「じゃあ『前髪部分・やや強固』という新たな条件を加えて計算しなおしてみようか?」

 

 

 

 

記者「うぐあああ!こ、これはちょっとイヤです博士!まださっきの方がいい。いや確かに最近、生え際だけじゃなくて上の方も少し危なくなってるんだよなぁ。こないだもカミサンに指摘されて…」

博士「キミ…そんな話、今は聞きたくないよ。それより、前髪が“飛び地”のように残るのがイヤというなら、思いきってこういうのはどうかね?」

 

 

 

記者「オーマイガーッ!!何だか悪役プロレスラーみたいじゃないスかッ!」

博士「今のは『ゲーハー速度・最速』で予測期間を『10年後』という設定にしたのじゃ。ま、要するに最もハゲがハゲしく進行した場合の最終的シミュレーションという…」

記者「駄ジャレ言ってる場合ですか!…だが待てよ?…どうせならここまで完全にハゲちまう方がマシな気もするな。ふむ、ヘタに残るよりむしろコッチの方がいいや。よし、博士、これで頼んます」

博士「ウチは床屋ぢゃない!バカ者!そういうバカ者にはこうしてくれる!」

 

 

 

 

記者「ぐわーッ!!恐怖の1・9分け!しかもバーコード状態!博士!ゆ、許して下さい…」

博士「ぶわははは!こんなことも出来るんだぞ。秘技!フクスケシミュレーション!」

 

 

 

記者「ぎゃああああああ!も、もうやめて下さいってば!」

博士「秘技!波平シミュレーション!」

 

 

 

記者「はっ、はかせーーーッ!!!」

担当:科学部いわんや記者

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