逆引きってナニ?         2004年4月17日 学芸面

 よいよトホ妻のドイツ出張が近付いてまいりました。一応は独文科出身のトホ妻ではございますが、ドイツ出張ともなれば過去の知識だけではさすがに不安に思ったらしく、出張3日前に思い立って電子辞書というヤツを購入いたしました。独和辞典・和独辞典はもちろん、英和辞典・和英辞典等の英語辞書、日本語辞書の広辞苑なども収録されている立派なもの。ちなみに、ワタクシは電子辞書なんて持っておりませぬ。

 やチマタにありふれた電子辞書とは申せ、我々にとっては初めて購入した高度電脳製品。二人とも物珍しがって、新宿で電子辞書を買った帰りに府中で晩飯としてカルビクッパやビビンパ等を食いながら、外箱に書かれた電子辞書の説明などを読んでおったのですが、ほどなくこの電子辞書には「逆引き広辞苑」というのも収録されていることを発見致しました。「逆引き辞書」というのは最近増えてきたようでございますが、何せバカ夫婦、逆引き辞書というのを二人とも全く見たことがなかったわけでございまして…

 

いわんや「…なぁ、この一緒に収録されてる『逆引き広辞苑』って何だ?」

トホ妻 「『逆引き辞書』って、聞いたことはあるけど中身は知らないのよアタシも」

いわんや「でもさー、この説明にはこう書いてあるぜ。…『広辞苑』の項目を、見出し仮名を逆に読んだ場合の50音順に並べたユニークな辞典…‥・・・どういうコトさ?」

トホ妻 「・・・・・わかんない」

いわんや「(テーブルにあった、チヂミの乗っていた皿を指差して)たとえば『さら』っていう見出しがあって、『食物を乗せる平たい食器』とか説明してあるのが普通の辞書だ。ソレを逆に読むぅ?」

トホ妻 「逆に読むって?」

いわんや「・・・・『見出し仮名を逆に読む』っていうこの説明を信じるとすればだよ?逆引き広辞苑っていうのは、たとえば皿だったら「らさ」って書いてあるってことになる…」

トホ妻 「・・・(呆れ果てて)・・あるかよ、そんなモンが」

いわんや「ほかにどう解釈するんだ?『見出し仮名を逆に読んだ場合の50音順』ってのを」

トホ妻 「皿の意味が知りたい時に、わざわざ逆さ読みして『らさはどこだ?ら…ら…』なんてメクる辞書に何の意味があんのさ!」

いわんや「逆に読むっていったらそういう意味にしか解釈できねぇよ」

トホ妻 「おそらくね、こういうことよ。例えば、食べ物を乗せる、あの平たいヤツの名前は何だったかなー?っていう時に引いて、『さら』っていう言葉を探し出す…そういう辞書なのよ」

いわんや「・・・(呆れ果てて)・・『えー…食べ物を乗せる平たいヤツ…た…たべ…たべも…』なんてメクる辞書があるわけねーだろ!」

トホ妻 「『らさ』よりは現実的だわよ」

いわんや「待て。ここに同じ言葉で終わる語句を簡単に捜し出せますとも書いてあるな…同じ言葉で終わる語句だろ?…ってことはだ…例えば『ラーメン』って引くと、『塩ラーメン』『麻婆ラーメン』『にんにくラーメン』とか、そういう風にいろんなラーメンが出て来る…ってことか」

トホ妻 「逆引き辞書はラーメンのトッピングかよ…まぁそういう可能性はあるわね。あるけどさ、食い物以外の思念ってモンがないのかい?アナタには…」

 

 さに日本無知の会・会長ぶりをサラケ出すような無知ぶり。全くお恥ずかしい話でございますが、結論から申し上げますと、逆引き広辞苑とはまさに最後にワタクシが提出した「ラーメン説」にほぼ近い構造になっているようでございまして、「らさ説」「食べ物を乗せる平たいヤツ説」は葬り去られたようでございます。え?そんなコト小学生でも知っている?

 みに、逆引き広辞苑で「らーめん」と入力して引いてみますと、「拉麺」という中華料理の名前と、「Rahmen」というドイツ語(ラーメン橋など、建築構造の1形態のこと)だけが出てまいりまして、残念ながら「麻婆」「コーンバター」「ねぎチャーシュー」等々の様々なトッピングは無視されているようでございます…。

担当:学芸部いわんや記者

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