チェリル様よりの投稿

 ェリル様からの初投稿でございます。チェリル様は現在アメリカに在住の方でございまして、御自分で「クラブ脱力」というHPも作成しておられます。ワタクシこのHPを最初に覗きに行った時から、その危険な笑いに満ちたコンテンツとチェリル様の挑戦的な文体にすっかり魅了されているのでございますが、このたびは光栄にもトホ父ネタをお送り下さいました。

 年寒くなると厳冬の北国から逃げ出して、滞在許可日程ぎりぎりの 3ヶ月間、ここ(カリフォルニア)に滞在する両親。食事も毎度3食一緒、ということで普段は贅沢などしないが、さすがに帰国前日くらいはお洒落なレストランで楽しもうと、かなり無理して高級な所を予約する。前回は 今最もトレンディーで味の評価もトップレベル(値段も)のフレンチレストランを 予約した。


 
ころで、家のフロアにはメキシカンタイルが張ってあり 、夏はひんやり冷たく冬はほんのり暖かい。しかし、年寄りにとってはこのタイルも 「体の芯から冷えるわい」という文句しか出ないモノらしく、彼等は重ねてはいた 靴下にさらにウサギの顔のついたモコモコのスリッパという凄まじいイデタチで家中歩き回る。まぁ、それも見慣れれば気にならなくなってくるものだが 。


 
て、食事に行く当日。 私は両親の服装、髪型、全てを念入りに チェックし、レストランでの基本的なマナーをおさらいさせ、準備万端、クレジット カードをしっかと握り締め(この先長々と支払いする恐怖に怯えつつ)レストランへ 向けて車を走らせた。
予約時間丁度に車はバレットパーキングに着き 、ボーイがうやうやしくキーを預かると、両親を従え、レストランのドアに向かった 。                               
 
り口で予約名を告げ、案内人が「こちらへ・・」と、予約席まで 連れていく。そのあとを、精一杯着飾った私達が悠然と続く。しかし 、どうも他の客が笑っているような気がする。なんだなんだ?アジア 人と思って馬鹿にしてんのか?おいこら、なめんなよ。心の中で毒づき、キッと睨む。   
 
ると、もう耐え切れないという感じで太った白人のオバさんが大声で笑い出した。それに釣られてみんながゲラゲラ笑い出したからタマラナイ。
なななな・・・なんなんだー!!
ナンか変? ねぇなにさ、ナンかおかしい??え!!??と、すっかり動揺して両親を振り返った私は、その場でワープして遠い宇宙のゴミになってしまいたかった。                
 
親のタキシードの足元に、ウサギのスリッパ・・・・・アータ、この時の私の気持ちを察する事が出来ますか?え?どおよ 。この後の状況はハッキリ言って覚えていない。何をオーダーしてどこまで食ったのか・・・
私の潜在意識はこの事件にしっ かり蓋をして、記憶の中から抹殺しようとしているのである。

 タクシこの投稿を読んで、まるでゴールディ・ホーンか誰かが主演しているアメリカコメディ映画の一場面を見ているような気分になってしまいました。超高級レストランでイブニングおばちゃんやタキシードおやじたちの間に広がる笑いの波紋、主人公の周章狼狽、そして訪れる驚愕の破局…。実に臨場感あふれる内容でございます。ワタクシもぜひその場にいたかった。もちろんチェリル様の連れとしてではなく、笑い転げる周りのオヤジどもの一人として、でございますが…。

 メリカの生活習慣では家の中でも靴は脱がないとされておりますから、おそらく父上のウサギのスリッパも「上履き・外履き兼用」だったのでございましょうが…しかし父上はその後もそのウサギのスリッパを履いたままお食事されたのでしょうか?換えの靴をお持ちとも思えませぬし…「その後の状況はハッキリ言って覚えていない」とおっしゃるチェリル様にこんなことをお尋ねするのは、記憶の傷のカサブタをはがして塩を擦り込むようなものかとも思うのですが…。

 タクシ、HPは以前から読ませて頂きながら、チェリル様御自身のことは「アメリカ在住の日本女性」というくらいしか存じ上げず、カリフォルニアにお住まいの方であることも今回初めて知ったのでございます。テネシーに次いで西海岸からも投稿を頂戴し、国際化するトホ妻ムーブメントがいよいよアメリカを侵食していくのを目の当たりにするようで、感動を禁じ得ないワタクシでございます。チェリル様、このたびは投稿ありがとうございました。

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