のりすけ様よりの投稿 

 がトホ妻帝国とも相互リンクしているHPの作成者、「のりすけ様」からの長編投稿でございます。さすが妻帯者歴も長いだけあって人生の重みと苦悩をズシリと感じさせる投稿。文章も「ミイラ」を漢字で「木乃伊」と書くあたりは、もう実に格調の高さを感じさせるのでございます。

 近カミサンのことが「歩くことわざ辞典」のように思えてきた。と言っても決してことわざに詳しいわけではない。ことわざを地でいくというか、生き様そのものがことわざなのである。最近カミサンが「木乃伊とりが木乃伊になった」話をしたいと思う。

 の薄給のみを生活の糧とする我が家の家計はいつも火の車である。「そもそも私の稼ぎが悪いから」という理由で私の小遣いは限界を超えて削減され、既に子供のお年玉に劣るとも勝らないレベルにまで落ち込んでいる。それでもなお一層の合理化が必要となったときに、白羽の矢が立てられるのが私に関連する出費であり、具体的にはインターネット利用に伴う電話代の削減だった。
削減といってもインターネットへの接続時間を減らせというのではない。要するに「電話代は私が小遣いで負担しろ」ということである。

 を言うと私が受け取っている小遣いの額は決して多くはないが、驚くほど少なくもない。異常なのは、その小遣いで私が負担しなければならない範囲の広さである。通勤定期代・毎日の昼食代に始まり、散髪代から車のガス代から家族での外食代からカミサンや子供のおねだり等々…合計すると受け取っている金額をはるかに上回る。カミサンにとって私への小遣いは、小額預ければいくらでも引き出せる夢のような投資なのだ。だが、実際には私は出張の度に会社から支給される「手当て」で損失を補填しているに過ぎないのだ(私の部署は出張が多い)。

 回の原告(カミサン)の主張はこうだ。
ウチに電話を使用する可能性のあるのは3人。一人目はまだ小学生の娘で電話の使用はごく稀である。二人目はカミサンで、本人によれば「私は確かに電話の使用頻度は高いが、ほとんどがかかってきた電話であり、電話をかけるのは非常に稀である」とのこと。三人目が被告(私)で、家にいるときは毎晩のようにインターネット接続で電話をかけている。よって電話料金のうち基本料金を除く通話料は、すべて被告が小遣いで負担すべきだと言う。

 れに対する被告(私)の主張は、
「私の小遣いの使い道をカミサンが一方的に決定する」ことがそもそも間違いであり、これ以上の支出に耐えるだけの原資そのものがない。また、電話をかけるのは被告だけという原告側の主張には確たる証拠がない。

 方決め手の無いまま、裁判官のいない裁判は泥沼化していった。するとカミサンは自分がかける電話はすべて自分の携帯を使うという手段に打って出た。こうすれば、通常の電話回線を使用するのは私だけという状態になり、私一人でどれくらい電話を使用するかが分かる。他の月と料金が変わらなければ原告側(カミサン)の勝利、通話料が減れば被告(私)の無実が証明される。

 果は通話料減少だったが、該当期間に私が約2週間出張に出ていたため、双方にとって確証とはならない。しかし、カミサンは何も言わないが私は知っている。カミサンの携帯通話料が増えたために、当初の目的とは逆に通常回線と携帯のトータルでは電話料金負担が重くなったことを。そして、自分の主張通りの結果が出るまでカミサンはそれを継続するであろうことを…。

 の投稿文のあとに、のりすけ様は「…この文の論旨はオチではなく、それよりもずっと前にあることをお分かり戴けるでしょうか。(愚痴とも言う)…」と書いておられるのですが、いやもう胸中察して余りある内容。出張手当で何とか糊口をしのぐといったあたりの記述は、同じサラリーマンとしてワタクシも胸が詰まる思いでございます。

 計負担を軽くするために立てた作戦が、逆に家計負担を重くしてしまったという、まぁそれだけであれば文字通り「ミイラ取りがミイラになった」トホホなお話で済むのでございますが、このお話のコワいところは、これが「済んだ話」ではなく、現在進行形だというところでございましょう。

 話の感じでは、奥様は一時的に携帯通話料金が増えたことなどは、いわば御自分が“勝訴”するためのコストと割り切って意に介さず、いつもと変わらぬ金額の電話料金請求が届くのを先月のみならず、今月もまた虎視眈々と待ち続けるはず。ここがツラいところでございます。

 かしもっと恐ろしいのは、仮に電話料金負担をうまく回避したとしても、奥様が新たに「夫の小遣いで負担すべき支出項目」として何かを提案してくることでございます。ああ…のりすけ様の苦渋に満ちた闘いはまだ続くのでございましょうか。のりすけ様の御無事をワタクシいわんや、涙ながらにお祈り申し上げます。このたびはツラいお立場にもかかわらず御投稿下さり、まことにありがとうございました。

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