乃木夕菜様よりの投稿 

 のたびトホ妻帝国とも相互リンク条約を結んで頂いたサイトの作者、乃木夕菜様からの投稿でございます。夕菜様は前回投稿をお送り頂いたギョーコ様とも古くからの御友人でいらっしゃいます。それにしても「カギネタ」というのはトホ妻帝国の永遠のテーマの一つなのでございましょうか…。

 が家に1台あるオンボロ車は、普段私が通勤の為に使用しておりますが、夫とふたりで出掛ける際は彼が運転します。なので、ふたりとも車のキーは所持している訳です。   

 だ結婚したばかりだったある日、ふたりでドライヴに出かけ、帰りに夕食をとるためにファミリーレストランの駐車場に車を乗り入れたのです。最近はどの車でも運転席側のドアでドアロックがコントロールできるようになっているようですが、我が愛車にはそんな気の利いた機能はついておりません。助手席側のドアは手動でロックしなければならないのです。余談ですが、窓の開閉も手動です。
 
が助手席のドアをロックして閉めた瞬間、夫の「あっ!」という声。「どうしたの?」と尋ねれば、「キー閉じこみしちゃった!」しかも、エンジンをかけたままドアロックをしてしまったのです。この日は私もキーを持っておらず、マヌケな夫は情けない顔でJAFに電話をかけたのでした。
 
の地域のロードサーヴィス車は別件にて出動中、それが済んでからこちらに来てくれるということで、待つこと1時間。エンジンかけっ放しの車を駐車場に放置してファミレスで食事…などという大胆な所業は、新婚夫婦である私たちにはとても出来ませんでした。話がこれだけなら、『トホ夫』バナシで済んだのですが…。

 れからしばらく後、私たちは実家に帰省しました。上述の教訓を得て、私はふたりで出かけるときも必ずキーを持って出かけ、車のドアロックは自分のキーで操作することにしていたのです。
高速道路に乗って数分。何か車の外を、カチカチ弾くような音がします。砂利道を走っている時に車の下部に砂利が撥ねるような音です。
「何の音?」私たちは不審に思いました。何せここは完全に舗装された高速道路。砂利の撥ねるはずはありません。
 
ンジンに何か異常があるのだろうか? 不安に思った私は、キョロキョロと窓の外を見回しました(本当にエンジンの不調なら、そんなことをしても何にもならないのですが)。
「あ、わかった」私は見つけたのでした。助手席側のドアミラーに映った、ドアの外側にぶら下がっている自らのキーホルダーを。
 
はキーを抜き忘れて車に乗り込んでしまったのでした。キーホルダーには家の鍵・実家の鍵・職場の鍵など、無くしてはならない鍵がいくつもついています。しかしここは(くどいようですが)高速道路。道端で停車する訳にもいきません。100km/h以上のスピードで走行中なので、窓を開けてキーを抜き取るには危険すぎます。30km先のパーキングエリアに辿り着くまで、私の鍵はドアにぶら下がったまま、カチンカチンと小さな音をたてつづけていたのでした。
                                             
れで、夫のキー閉じ込みの一件はチャラ…というか、私のキー抜き忘れ事件と共に「言わない約束」もしくは「トホ夫婦のお笑いネタ」となったのです。

 うむ…エンジンをかけたままキーの閉じこみ事件を起こしてしまう御主人に、ドアにキーを差したまま忘れてしまう奥様…どちらが「よりトホホであるか」という問題を論じる前に、ソモソモ我が国の道路安全の見地にかんがみて、このような御夫婦にクルマを運転させて良いのだろうかという根本的な問題提起をしたい気分にもややなって参りますが、「ねぇ、ちょっとカギ取るからその辺でクルマ停めて」と御主人に言わなかっただけマシと前向きに考えるべきでございましょう。

 、もっともヒトのことは責められませぬ。ワタクシ自身、かつて新宿の町でバイクにキーを差しっ放しにしたまま映画を見て、見終わったあとそれに気付いて映画館からバイクを停めた場所までエイトマンのように疾走した経験がございます。今思い出しても冷や汗モノでございます。

 存知のようにいわんや家はクルマを所有しない世帯ございますが、何しろカギ忘れに関しては異常な才能を持つトホ妻。自転車のカギですらよく失念するくらいでございますから、このような投稿を拝見すると永久にクルマなんて買わない方が良いという決意を新たにしてしまいます。乃木夕菜様、このたびは投稿ありがとうございました。

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