ギョーコ様よりの投稿3

 気サイト「総本家ギョーコ堂」作者、ギョ−コ様から3度目の投稿を頂戴致しました。何しろ身辺にネタの多い方でございますが、今回はちょっと趣向を変えてギョーコ様の花の独身OL時代のエピソードをお寄せ頂きました。

トホホな先輩と私』というジャンルはあるのでしょうか?

 が勤めていたところは、教育関係のオカタイところでした。
きっとあの会社は「私が勤めていた」なんて事実を、消しゴムで消せるものなら消してしまいたいと思っているでしょうね。

 のデスクの向かいに座っていた先輩は、音無美紀子に似た感じの才女で、文学や芸術に詳しく、あれこれ資料を引っ張り出してきて確認しては校正をしている私とは大違い。編集課のだれもが「わからないことがあれば、彼女にに聞けばわかる」・・・と信頼しているくらいでした。
 
 
んなゴリッパな先輩が、ある日、
「いとこの子供から、コレをプレゼントされたの」と言って、電動鉛筆削りを持ってきました。自分のデスクに置いて使うつもりのようです。

 れは乾電池を入れて使うもののようでした。自慢げにデスクに置き、先輩は鉛筆を差し込んだのですが、ウンともスンとも言いません。
「ああら、おかしいわネェ。乾電池もちゃんと4本入れてきたのに?」

 主電源のスイッチが別のところにあるのかも?と、鉛筆削り器を持ち上げると、その中で「カランカランカラン…」と変な音がしました。その音を聞いて周りにいた者全員が…ハッとしました。
「間違えている・・・絶対間違えている・・・」
 
 
いけれど、プライドの高い彼女に誰がソレを伝えるか・・・。
「猫の首に誰が鈴をつけるか」。
ネズミのように小心な私たちは、目線で役目の押し付け合いをしておりました。

その空気を読んだ係長が勇気を出して言いました。「どれ、見せてごらん」
 
 
長はソレを手にとり、乾電池入れのフタを外しますと、ああ、誰もが想像したとおり、その「空間」をもてあました単3乾電池たちが4本、入り乱れて横たわっていたのでした。

 学と思っていた先輩が、こんなトンマだったとは・・・と思うと、私はたまらず「ぶっ!!」と噴いてしまいました。それで緊張の糸が切れ、周りのみんなも、ぷぷぷ・・・と笑いだしてしまったのです。
 
「あの・・・ここ(フタのウラ)を見てください。これ、『単2乾電池』を入れて使うようにって書いてありますよ」
「ええっ、乾電池っていったらコレ(単3)のことじゃなかったの? 乾電池ってそんなに種類があるものだったの?」

 そらく四半世紀、先輩は「乾電池=単3乾電池」と信じて生きてきたのでしょう。
そして、従順な後輩と思っていた私に笑われて、先輩のプライドは、そうとう傷ついたのでしょう。

以来、退職するまで…キツく当たられました。(まあ、最初からけっこうキツかったですが…)

あの時、もうちょっと笑いを堪えられたら・・・と、ちょっと反省しております。

キジも鳴かずば撃たれまい』 

 う〜ん…電池は単3しか見たことがないというだけであれば、それは仕方ないというもの。人は誰でも知っていることより知らないことの方が多いのでございますから、それを恥じることはございますまい。も…ですよ?この先輩、電池をハメる時に何かこう…違和感というものを感じなかったのでしょうか?

 たらデカい電池ボックスにやたら小さい電池をハメる時に「ひょっとして、アタシは何かトンでもない間違いを犯しているんじゃないかしら?じゃないかしら?じゃないかしら?・・・・(エコー)」というナレーションが心の中に響かなかったのでしょうか?おそらくナマジ優秀な方だけに、自らのおバカを疑ってみることなど考えなかったのでございましょうねぇ…。

 かしここが優秀な方のツラいところ。おバカを自認する方であれば「え〜?やっだー!アタシ単3以外の電池があるなんて知らなかった!ば・か・だ・ねーアタシゃ。はーははは!」で済むところでございますが、何しろ自他共に認める優秀な方だけでございますからねー…同じ種類の人間として、ワタクシもまたこの先輩の気持がよくわかるのでございま…え?今のコメントに違和感を感じる?いやいや、考え過ぎでございましょう、はーははは。ギョーコ様、このたびは投稿ありがとうございました。

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