まっきー様よりの投稿3

 ンドン帰りのまっきー様から3通めの投稿でございます。過去「トホ母」系のネタを送って下さったまっきー様でございますが、ワタクシ、今回の投稿を読んで全てを理解致しました。まっきー様御一家は母上のみならず全員が相当トホホなようでございまして、まっきー様御自身もまた例外ではないようなのでございます。「一族の血」というやつでございましょうかねぇ…。

言い間違え家族

 学生の頃、ワタクシはハイカラだと自認している母方の祖母(つまりトホ母の母)とよく海外物の映画を見ていました。ターミネーター2、ホームアローンシリーズ、逃亡者、ジュラシックパークなど、普通高齢の方には適さない、いや、心臓発作モノの映画ばかりを見ていました。
 ワタクシもまだ精神的に幼かったためこのような映画で満足しておりました。祖母の友達は、孫に付き合って見に行っていると思っていたようですが実は決してそうではなく、あれらは全て祖母の趣味にばっちり合った映画達だったのです。
 そんな祖母は未だにテレビでやるB級アクション、B級SFは欠かさず見ています。孫が映画館まで付き合ってくれなくなったもんですから。


 
て、それはさておき祖母とワタクシは交通の都合上、映画と言えば渋谷で鑑賞していました。その際の待ち合わせ場所は必ずある場所でした。渋谷には幾つか分かりやすい待ち合わせ場所があります。一番有名なのはハチ公でしょう。ですがあそこは人が多すぎて相手を捜すのが大変です。そこでワタクシ達はちょっとマイナーなところをいつもの場所にしておりました。そこは…
 
祖母 :「ああ、まっきー、次の土曜日ねぇ、いつものアモイ像のところに10時ね。」
まっきー:「モアイでしょ。」

 先日、母がその祖母と電話で話しているのを何とはなしに聞いていました。祖母はお歌い(お能の)をやっているため声が大きく、2mくらい電話口から離れているワタクシまで聞こえてきました。
 
祖母 :「あのねえ、あの、なんだっけ、あそこ?アモイ像!」
トホ母 :「あー、うんうん、アモイ像。あれ?なんか変ね。」
まっきー:「モアイ…」
トホ母 :「モアイ像だって!そうそう、モアイ像!」

 年をとるとなかなか始めに覚えてしまった間違いを正しく覚え直すことは難しいようです。ですが、トホ母にまで伝染している「アモイ像」、衝撃的でした。

 ころで、話は変わります。
昔、アイスクリームと言えばお菓子屋さんで売っている100円のカップアイスでした。ですがワタクシが中学か高校生のとき「おいしい」アイスクリームが日本デビューし、話題になっておりました。
 
  :「あのアイスクリーム、美味しいよねえ。でも一瞬言い間違えちゃうんだよ、ダーゲンハッツって。わかりにくいよね、ハーゲンダッツ。」
トホ母 :「そうよねえ、分からなくなっちゃうわねえ。」
まっきー:「分からなくならない、ならない。」

この時は本当の名前を確かに二人とも分かっていたようです。一応、ちゃんと。
しかし、しかし!

数年後…
 
 :「あのアイスクリーム、名前なんだっけ?ダーゲンハッツ?」
トホ母:「そうそう、ダーゲンハッツ。」

 してこの後、両親の頭にはしっかりと「ダーゲンハッツ」という名前が刻み込まれ、決して本当の名前が最初に出てくることはなくなりました。
 はじめは正しい名前を知っていたのに自分で言い出した「言い間違えた名前」をインプットしてしまう恐るべき両親…。まだ、そんな年齢だとは思っていなかったんですがね、娘は。老後がますます楽しみ…いや、恐ろしいです。

 してそんな両親を持つ私はスペインの通貨ペセタセペタと分からなくなってしまうという秘密がありましたが、来年からユーロ通貨が使われるためこの悩みからは解消されるのでした。

 はははは!「アモイ像」もスゴイですが「ダーゲンハッツ」というこの語感がまた一段とスゴい。何となく第二次大戦中のナチスドイツ軍の司令官にでもいそうな名前でございます、ダーゲンハッツ…。

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