みけねこ様よりの投稿3

 稼ぎネコ夫婦の生活を送るみけねこ様から早くも3通目の投稿を頂きました。どうもこのネコ夫婦は相当高頻度でトホホを発生させているようでございまして、みけねこ家の実態をHPにしたら、たちまち「トホホ猫の帝国」などというのが出来てしまいそうでございます。

 、みけねこと亭主のみきねこは年末に引っ越しました。
今回も集合住宅ですが、一歩部屋から出るとゴミを捨てるのでも、郵便物をとるのでも、もちろん集合住宅の構内に入るのにも鍵がいるという、まるで要塞のような場所です。そんなに治安が悪いのか・・・。

 んなに大切な鍵なのに、新居からの出勤の第一日目の夕方、私は職場で鍵がないことに気がつきました。マズイ・・・。そして鍵を置き忘れた可能性、落とした可能性のある場所についてひとつひとつ思い出すことにしたのです。

 して私は大切なことを思いだしました。
「そうだ、今日はみきねこと一緒に家を出て、郵便受けから新聞を取るときにキーホルダーを落として、みきねこに、落としたよ、と指摘されたのだった」つまり鍵は家の外にあるはず、と確信したのです。

 は職場のデスク周りや、鞄の中、コートのポケットを探しましたが鍵はありません。そこで昼休みに行ったコンビニや本屋にも立ち寄り聞きましたが、どちらもそんな落とし物はなかったと言います。残業していても気もそぞろ、最後の可能性は地下鉄N駅だろう、と23時頃会社を出ました。

 後の可能性である、地下鉄N駅の遺失物預り所に私のキーホルダーはありませんでした。あれには、実家の鍵や前の部屋の鍵もついているのに・・・途方に暮れて私はとぼとぼと新居に向かって歩きました。

 主のみきねこはまだ帰宅していませんでした。私は家に入ることも出来ず、呆然と門の前に立っていました。心の中はトホホでいっぱい、ああ、どうしよう、どうしてこんなにみけねこはオバカなネコなんだろう・・・と泣きたいような気持ちだったのです。

 ると幸運なことにみきねこが缶ビールの入った袋をぶら下げてのんきに帰ってきたのです。門の前でしょんぼり立っているみけねこを見つけて声をかけました。


みきねこ「どうしたの、そんなところで」
みけねこ「鍵がない・・・どこかで無くしたみたい」
みきねこ「おいおい、いきなり鍵の交換か?」
みけねこ「ミュウ・・・(力無く鳴く)」
みきねこ「ま、家に帰ろう」

 家にはいると、リビングのテーブルの上に私が探し続けたキーホルダーが乗っているではないですか・・・。
みけねこ「そんな馬鹿な。」
みきねこ「今朝、置き忘れたんだろ、鍵の交換をしなくてよかった」
みけねこ「でも、ヘン。今朝、郵便受けから新聞を取ろうとして、鍵を落として、みきねこに鍵を落としたって言われたよね。」
みきねこ「それは昨日のことじゃないか。」
みけねこ「・・・・・」

 うなのです。私みけねこは鍵を持たずに家を出たことに加え、鍵を取り落とした日にちについて記憶が混乱していたのです。トホホの2倍のような出来事に、ひょっとしてみけねこは若年性(中年性?)痴呆症かもしれないとショックを受けてしまいました。

以来、毎朝、みきねこに「鍵持った?」と確認されています。トホホ・・・・。

 けねこ様、これはマズいですよ、これは…。「カギ忘れ」というのはもはやトホ妻としての基本中の基本として広く認識されているところでございますが、それに加えて「時間的記憶の喪失ないし混乱」という症状を併発しているとなると、これはもうまさに忘却の二重構造。重症でございます。「トホ妻性健忘症」の可能性が強いと言わざるを得ません。

 の病気は既婚女性を中心に罹病率が高く、しかも現在の医学では治療方法がございません。今みけねこ様に必要なものは「御主人の忍耐と協力」、コレでございます。御存知ないかもしれませんが、実は我が国では重度・軽度合わせて約数千万人の女性がこの「トホ妻性健忘症」に苦しんでいるとされておりまして、御主人やカレシ、あるいは息子さんなど、周囲のキョーイ的な忍耐で何とか命をつないでいると推定されるのでございます。

 肖ワタクシも、「トホ妻性健忘症」の重症患者であるトホ妻を生き長らえさせるため、看病と忍耐の日々を送っているのでございます。いや、もう完全に回復して欲しいなどという希望はトウの昔に捨てました。せめて「日常生活に困らない」程度にまで症状が軽くなってくれぬものかと看病しているのですが…一向に良くなる気配もなく…出来ることなら…ワ、ワタクシが代わってやりたい…不憫でなりませぬ…くくくッ…。みけねこ様、このたびは投稿ありがとうございました。

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