くじら様よりの投稿

 じら様から初投稿でございます。「くじら」というお名前だけからは、それがメスなのかオス…あいや、女性なのか男性なのかわかりませぬが、実は立派な女性でございます。くじら様は以前からトホ妻帝国を読んで下さっておられたようで、このたび光栄にも初メールにて初投稿をお送り下さったのでございます。

 の祖母のトホホ話を思い出しましたので投稿させてくださいませ。

 から十数年前、長兄の結婚披露宴でのことです。

長兄の披露宴には父の勤務先の上司の方々が多数出席してくださいました。
父はご祝辞を社長にお願いしておりました。

ところがこの社長さん、言葉が今ひとつはっきりしないうえに、話が長い・・・。

冷めていく料理を前に、私たち親族はもぞもぞしながらご祝辞が終わるのを待っていました。

しかし、祖母だけは身動きもせずに座っています。孫息子の盛大な披露宴に出席して、さぞや感激しているのだろうと思い、次兄は「どうだ、バアちゃん? 兄さんの結婚式は?」
と祖母に聞きました。すると祖母は一言、「ナゲェ!」(注:「長い!」)

 席者全員(おそらく)の気持ちを正確に代弁しているとはいえ、大声で笑いたくても絶対に笑えない場面…。親族のテーブルにいた全員が肩を震わせて下を向いていたのは言うまでもございません。

 数年前に他界した祖母ですが、今でも祖母の話になると必ず話題に出る小話です。

 やもうワタクシ、こういうおばあちゃん大好きです。人間トシをとりますと、それに比例して必然的に世間体や体面といったものも体内に蓄積されますから、ともすればお年寄りというのは「そんなコト言うもんじゃありません」「シイッ!!社長サンに失礼でしょ!」といったように、反動的な言動をタシナメるガワ、言うなれば“体制側のヒト”になってしまうのではございませんでしょうか?

 かるに、このくじら様の御祖母様のアナーキーな反体制ぶりはどうでございましょう。皆が言いずらいことをズバりと言ってしまうその度胸、その反骨精神。ワタクシもジジイになったらかくありたいと思わずにはおれませぬ。しかも、ダラダラした社長の長い挨拶に対するアンチテーゼであるかのように「ナゲエ!」という短く、簡潔な一言で全てを表現し切ったところが素晴らしい。

 「短く簡潔な一言で的確にポイントを突く」という能力は日本のオヤジたちに最も不足している部分であるというのがワタクシの考えでございまして、ワタクシも今後はくじら様の御祖母様を見習って、クソ社長との会話などに際して「ナゲェ!」「ダセェ!」「ツマラネェ!」等々の簡潔な応対で対処…したらたちまちクビになるでしょうが…。くじら様、このたびは投稿ありがとうございました。

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