ワールドカップ観戦記その2. 6/11 カメルーン×ドイツ戦

 曜深夜〜月曜早朝にわたる0泊2日間の仙台往復の疲れも癒えぬ火曜日。早くも静岡行きの日でございます。この日は平日でございますが、ワタクシは会社の連中にあらかじめ「午後は私用で早退する」と伝えておりましたから、午後になるとイソイソと私服に着替え、2時過ぎには汚らわしい会社を後にして東京駅に向かい、駅のホームでトホ妻と合流したのでございます。

 の日はどの天気予報を見ても静岡地方は雨。実際、新幹線が三島を越えた頃から雨が降り始め、「これは雨に濡れて観戦するしかないか…」と覚悟を決めたのですが、それ以上に「決勝トーナメント進出を賭けてカメルーン×ドイツ雨中の死闘!」といったスポーツ新聞風の見出しも頭に浮んで胸が踊ってきます。車中には横浜に向かう緑のジャージを着たアイルランドサポーターの姿もやたらに多く、今や日本は新幹線の中まですっかりワールドカップ気分でございます。

 川に到着したのが4時頃でございましたでしょうか。外は立派に雨が降っております。自分たち用に「うなぎパイ」を一箱買い込み、喫茶店でしばし休憩したあと駅前から無料シャトルバスに乗り込んでいざ静岡スタジアムへ。しかしこの静岡スタジアム、シャトルバス発着場である駐車場から滅多ヤタラに遠い。しばらく歩いたところでようやくはるか前方にスタジアムの端ッコが見えてくるという有り様でございまして、しかもスタジアムまでの長〜〜い道はセキュリティチェックを待つ観客の列がウネウネと続いておりましたから、バスを降りてからスタジアムに入るまで1時間は軽くかかったかと思われます。

 の日は雨が降っていたうえ、試合開始は夜のトップリ暮れた8時半。我々がスタジアムに入ったのはまだ7時前頃でしたが、天気の良い昼間の試合だった仙台の時とはいささか事情が違うのか、スタジアムの周りで踊り狂うサポーターなどが見られなかったのは残念でございました。まぁラテン美女も多いメキシコ・エクアドル戦と違って周りはほとんどドイツ人でございますから、あまり素敵な被写体と言えそうな人物は…い、いえ、何でもございません。まぁ夜の試合というのもまた独特のムード。幸い雨もやんだことですし、今日は外国人サポーターとワイワイ遊ぶことより試合観戦の方に集中すると致しましょう。

「メキシコ×エクアドル」の時はこんなラテン美女がたくさんいたのに…

 て、試合開始前のセレモニーというと両チーム選手が整列して両国国歌の演奏というのがお約束でございますが、ワタクシ、この日は格別の思い入れがあったのです。正直申し上げてワタクシ、メキシコ国歌もエクアドル国歌もカメルーン国歌も存じません。しかしドイツ国歌は…あのハイドンが作曲した名曲「ドイチェラント・ユーバー・アレス」はさすがに知っております。思い返せば86年メキシコ大会の決勝戦で聞いたドイツ国歌…90年イタリア大会の決勝戦でも聞いたドイツ国歌…テレビで聞くことだけが唯一の“体験方法”だったその「W杯会場で流れるおなじみのドイツ国歌」を実際にW杯会場で、自分が、生で聞いているのかと思うと…いやもう感激でございました。

 合の方は従来の大会記録「10枚」を大幅に上回る、16枚のイエローカードが飛び出すというすさまじい乱戦。今日はどちらかの応援団が近くにいるわけではなかったのですが、ワタクシ個人としては常勝ドイツ軍団に立ち向かうカメルーンを応援したい。しかしさすがはドイツ、退場で一人少ない後半に2点を挙げ、見事ドイツが勝利致しました。がっくりと肩を落とすエムボマ。ああ…残念。しかしここはやはりゲルマン魂の勝利を讃えるべきでございましょう。

 れに致しましてもとにかく前から6列目でございます。Jリーグの試合だってこんなに近くから見たことはございません。後半にカメルーンが左サイドを使って攻め上がったりすればそれこそ攻防は目の前。ボールを蹴る音はもちろん、スパイクのぶつかりあう音まで聞こえそうでございます。ドイツが誇る世界屈指のゴールキーパー、オリバー・カーン氏がフリーキックの時などに大声で指示を出す声もビンビン聞こえてまいりまして、まさに生観戦でなければ味わえない興奮でございました。

ドイツのゴールキーパー、カーン氏の勇姿

 合が終わったのがほぼ10時半。名残り惜しかったのですが、何せ明朝には東京に帰っていないといけません。早々にスタジアムを後にして、行きに通ったあの長〜〜い道を通って長〜〜い行列の果てにやっとの思いでシャトルバスに乗り、掛川駅でまたもや長〜〜い行列の後に臨時増発深夜新幹線に乗り込み、東京に戻ってきたのが深夜1時頃。それからいわんやの会社まで歩いていき、朝までトホ妻とソファで仮眠をとった後、翌日はそれぞれ会社に行った(ワタクシの場合はすでに会社にいた)というわけでございました。やれやれ…。

 うして3日間に仙台・静岡と2つの会場を駆け巡るいわんや家のワールドカップ観戦ツアーは無事終了したわけでございます。思えば5月中旬に奇跡のようにチケットを入手することが出来てから半月以上の間というものは夜行バスや新幹線の切符手配、現地の地図やスタジアムまでのアクセス確認などに奔走し、仕事など二の次という日々でしたが、幸いなことにワールドカップ観戦と仕事の修羅場が重ならなかったのは天の配剤でございました。いや〜…ワールドカップ、生で見られたなんて本当に嬉しい。この興奮は病みつきになりそうでございます。次は4年後にドイツで開催されるんでしたよね…むふふ。

 

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