SPad

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Manual

Version 1.0 1998/02/07
SPad は CodeWarrior for PalmPilot DR2 に付属の Memo Pad ver. 1.0 (pilot1000/5000 の Memo Pad 相当)に (NEmacs/Mule 上の 日本語入力方法である) SKK に似た日本語入力方法を付加したものです。 なお、現在 ((Palm OS 1.0.x or Palm OS 2.0.x) and J-OS (1.8 以上、Pro を含む)) 上で動作確認しています。 ただし PalmPilot Personal でダイアログ等を綴じた後、 画面が崩れるというバグが報告されています (それにより動作が不安定になることはないようです)。

SPad の特徴

SPad による日本語の入力方法

SPad が手本にした SKK はちょっと変った日本語入力方法です。 基本的に単語変換なのですが、送り仮名を明示的に指定することで、 文法知識を用いることなしに、高い変換ヒット率を誇ります。 SKK の詳細については、 SKK ホームページ をご覧下さい。

SPad ではこの SKK に似た以下のような方法でかな漢字変換を行います。 (ただし、PalmPilot に合わせたため SKK と異なる部分もあります。)

モード

SPad には以下のような入力モードがあり、モードによって入力できる文字が異ります。
アルファベットモード
PalmPilot の通常の入力モードと同じです。
ひらがなモード
ローマ字入力により直接ひらがなが入力できます。
カタカナモード
ローマ字入力により直接カタカナが入力できます。
各モード間の変更方法は次の通りです(デフォルト値。一部のものについては変更できます。)
アルファベットモード -> ひらがなモード
文字 '\'(バックスラッシュ)を入力、又は Kanji ボタン 又は kana ボタン
ひらがなモード(カタカナモード) -> アルファベットモード
文字 'l'(小文字の「エル」)を入力、又は Alpha. ボタン
ひらがなモード -> カタカナモード
文字 'q'を入力、又は kana ボタン
カタカナモード -> ひらがなモード
文字 'q'を入力、又は kana ボタン

漢字の入力

漢字の入力はひらがなモードで以下のように行います。
  1. 漢字の始まりの指定
    漢字変換したい文字の最初の一文字を大文字で指定します。

    例:
    入力: Kannji
    表示: ▽かんじ

    また、画面上の Kanji ボタンを押して小文字で書き始めても同様の動作をします。

    例:
    入力: (Kanji ボタン)+kannji
    表示: ▽かんじ

  2. 送り仮名の始まりの指定
    送り仮名がある場合送り仮名の最初の一文字を大文字で指定します。

    例:
    入力: KannJi
    表示: ▽かん*じ

    また、送り仮名を書き始める前に画面上の Kanji ボタンを押しても指定できます。 その場合入力は小文字のままです。

    例:
    入力: (Kanji ボタン)+kann+(Kanji ボタン)+ji
    表示: ▽かん*じ

  3. 変換 / 次候補

    変換及び次候補の表示はスペース、 (Graffiti で 左から右へ横棒を引く)、 または、画面上の Hen (変換)ボタンを押します。

    例:
    入力: KannJi+' '
    表示: ▽感じ

    Tips: Kanji, Hen ボタンは筐体を持っている手の親指で押すと(人によっては)効率が良いかもしれません。

  4. 前候補
    小文字の 'x' または画面上の Prev ボタンです。

  5. 確定
    デフォルトでは '.' (Graffiti のダブルタップ)です (Preferences で変更可能です)。
    例:
    入力: KannJi+' '+'.'
    表示: 感じ

まとめると....

漢字、送りがな開始
大文字, "Kanji" ボタン
変換/次候補
' '(スペース), "Hen" ボタン
前候補
'x', "Prev" ボタン
確定
'.'(Graffiti エリアをダブルタップ)

辞書登録

J-OS と同様に Memo に "J-OS" (大文字であることに注意して下さい)という カテゴリを作成し、このカテゴリに属する Memo を一つだけ作成します。 次に以下のような形式で単語を登録します。詳細は J-OS のマニュアル等を参 照して下さい。
例
---
あきば/秋葉/秋場
あたたm/暖/温
あきばけい/秋葉系
しぶやけい/渋谷系
---

SPad を使って J-OS カテゴリに属する Memo を編集する場合、 ユーザ辞書に登録されている単語は候補として出てきません。 J-OS 辞書(dic-s, dic-m, dic-l)に登録されている候補のみ出現します。 例えば上の例で、 「あきばけい」を登録する場合、「あきば」を変換しても 「秋葉」は(J-OS 辞書中になければ)、は候補として出現しません。

J-OS と同様に、ユーザ辞書に登録された単語は dic-s 等の J-OS 辞書より 先に候補として出現します。また、ユーザ辞書に関しては、候補の出現順序の 入れ換えは行いません。

設定

メモ編集画面の Menu の Preferences で以下の設定ができます。

キーバインド

SPad において特殊な意味を持つ文字を設定します。

PiloKey や Copilot 使用時で、Control キーを使用したい場合は、 "Ctrl +" チェックボックスをチェックし、それに続くフィールドに小文字のアルファベット一文字を指定します。 "Ctrl +" チェックボックスをチェックした場合で、それに続くフィールドに小文字のアルファベット以外の文字を入れた場合は、設定は変更されません。

Kana Mode:
アルファベットモード->かなモードへの変更文字を設定します。 デフォルトはバックスラッシュです。
Kakutei:
かな漢字変換時の確定に用いる文字を設定します。 デフォルトはピリオドです。

Tips

PiloKey 等使用時は、Kana Mode, Kakutei ともに Ctrl + j を設定すると Return Key 又は Ctrl + j でモード変換、確定動作ができます。

Hide SPad Buttons

SPad オリジナルの(Memo Pad にない)ボタンを表示しないようにし、 Memo Pad ライクな画面構成にします。 SPad Image: Hide SPad Buttons

インストール及び使用方法

SPad.prc を通常のアプリケーションをインストールする方法と同様に インストールします。通常の使い方をする限りは Memo Pad ver.1.0 とほぼ 同一です。

使用許諾条件

バグ

現在知られているバグとして以下のようなものがあります。

制限

重要な制限として以下のようなものがあります。

履歴

version	release
0.316	97/08/30	最初のαバージョン
0.318	97/09/01	back space 関係の不完全なバグ修正
			'。', '、'のサポート
0.320	97/09/04	変換文字の反転表示をやめる。
0.323	97/09/05	メモリ操作関係、その他のバグフィクス
0.325	97/09/09	画面の変更、Emacs ライクなキーバインド
0.525	97/10/04	ローマ字変換アルゴリズムの全面的書き直し
0.525i	97/10/05	ローマ字変換テーブルの修正
0.528	97/10/26	J-OS 互換ユーザ辞書登録機能の付加
0.528i	97/10/27	かな入力時に飛ぶバグのフィックス(その1)
0.528it	97/10/28	かな入力時に飛ぶバグのフィックス(その2)
0.540	97/11/09	Preferences の追加
0.540i	97/11/11	Preferences 関係のバグフィックス
---
1.0b1	97/11/13	モード表示の変更
1.0b2	97/11/24	ユーザ辞書のカテゴリ名として "JOS" を許容
			dic-s 使用字「さ」行変換字のバグを修正
			Palm OS 1.0(pilot1000/5000)で動作するように修正
1.0b3	97/11/30	変換関係、モード関係のバグフィックス
1.0b4	97/12/08	句読点切り換え機能の追加
1.0b5	97/12/08	テキスト選択時のバグフィックス等
1.0b6	97/12/15	Preferences 関係のバグフィックス等
1.0b7	97/12/15	Preferences Dialog 関係のバグフィックス等
1.0b8	97/12/29	変換動作の細部の変更
1.0b9	97/12/30	変換動作の細部の変更
1.0b10	97/12/29	変換動作の細部の変更
1.0	98/02/07	正式リリース

謝辞

本プログラムを作成するにあたり以下の方にお世話になりました。 ここに感謝の意を表します。
J-OS の作者でもある山田達司氏、青柳龍也氏、本間猛氏、HIEDA Susumu 氏、 佐藤 慎氏、なあ氏、Junko Ishiguro 氏。(順不同)

また、オリジナル SKK を作成された佐藤雅彦氏、PalmPilot のクリア筐体を 下さった Palm Computing の Rob Haitani 氏にも合わせて感謝いたします。

その他

バグレポート、提案、ソースコードの閲覧希望などありましたら、下記の作者メイルアドレスまでご連絡下さい。(ただし、ソースコードについては、ライセンスの関係上 CodeWarrior for PalmPilot DR 2 のライセンスをお持ちの方にのみ限らさせていただきます。)
naoz-i@tt.rim.or.jp