Studio Artifact

A Review for ROYAL daVinci

Last Modified: Tuesday, 30-Mar-1999 18:29:10 JST
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daVinci は米 Olivetti の一部門である ROYAL の PDA である。 特に Palm Computing Platform (以下 Palm と略) を強く意識した Pen 入力 PDA (ROYAL は Palm-size Organizer と呼んでいる)で、非常に低価格($99.99)である。 ここでは、Palm との比較という点から、簡単に述べてみたい。

製品の概要

daVinci の写真については、 ROYAL のページ を見ていただこう。 カバー(マグネットで閉じるようになっている)一体型の黒いプラスティックの 筐体に下左に4方向のカーソルボタン、 下中央から右にfind, time, on の各ボタンがならんでいる。Palm と異なり、 電話帳(phone) などの主要アプリケーションは、液晶パネル上方のエリアにス クリーンボタンとして配置されている。 Palm と同様に液晶パネル下方には、文字入力エリアと、いくつかのソフトボ タンが配されている。

Palm 以降の PDA だけあり、 daVinci には Smart-Sync と呼ばれる Palm の HotSync のような機能がある。 これを行うための daVinci CRADLE も付属している。Cradle との接続 は、筐体下の蓋を開けコネクタを露出させる必要がある。少々面倒ではあるが、 Pilot 1000 --- PalmPilot に比べるとまぁ、ましな仕様かもしれない。 専用の Cradle には、PC 接続のケーブルの他、オプションのキーボードを接 続するための、コネクタもある。この点は非常に好感が持てる。 ただし、Cradle にはボタンはなく、Palm のように、ボタン一発でシンクとい うわけにはいかない。

付属のスタイラスは筐体右側に収納されている。安っぽく、筐体抜け落ちやす そうだが、そのかわり、標準で予備(色が違う)が2本付いてくる。 書き味は、「まぁ、こんなものか」といった感じだ。

多少安っぽくはあるが、オリベッティ関連の製品だけあって、わりとオ シャレな印象ではある。(特にオプションのキーボードのデザインは秀逸だ。 これについては後述。) Pilot 1000 より若干厚みと、幅はあるものの、多くの Palm-sized PC より、 小さく、軽く持ち易い。 160x160 ドットの "RoyalGlo" ディスプレイはバックライト付きで、視認性は Palm III より若干落ちる程度 だろうか、まぁ悪くない。 メモリは今回入手した daVinci が 256KB, $1499.99 の daVinci Pro が 3MB である。

アプリケーション

当然ながら、PDA としての 基本的なアプリケーションは最初から ROM に組み 込んであり、すぐに使用できるようになっている。 phone, to do, planner, calc, memo といった Palm にもあるようなアプリ の他に、手書きメモである "note" というアプリもある(これがなかなか使い やすい)。 この内 memo 以外はスクリーンボタン上に配置され、直接起動できるようになっ ている。これらのアプリは、総じて機能も Palm と同様、必要最低限といった 感じだが、仕様はよく練られており、ユーザインタフェー スも含め、すこぶる軽快で使いやすい。この点 Palm を良く研究している印象 を受けた。

なお、daVinci Pro では、さらに e-mail と fax 送信機能が付加されるらし い(要 PCMCIA modem)

Palm 同様、Application の追加もできるのだが、まだ私は追加のアプリケー ションを一つも入手していないので、よく判らない。 また、OS に関しては、まだ開発キットも入手しておらず、現時点では詳細は、 良く判らない。

組み込みアプリを使用してみて、特に便利と感じた点は、時刻の管理が2重に なっている点である。どういうこ とかというと、Home の時刻と、Working City の時刻を両方設定できるように なっている点である。これは、海外で仕様する時は、非常に便利である。(こ の点は個人的に Palm 最大の不満点だった)

また、おもしろいと思った点は、 find が2種類あり、筐体の find ボタンだと、 ローカルファインドが実行され、menu (一種の Launcher) からだと、グロー バルファインドができるという点だ。これも、使い方次第で非常に便利なもの だろう。

一方、デスクトップソフトウェアは本当に必要最低限といった感じで、 使えないことはないのだが、初代 Pilot Desktop よりも、さらにシンプルな 感じだ。この点に関しては、Notes や Outlook など他の Desktop PIM とシン クすることを主たる使用法と考えているためだろう。ただし、そのためのソフ ト Companion Link は別売りで $39.95 する。

文字入力

文字入力 は Graffiti より は Jot に近い daVinci script という pen 入力 方法、Screen Virtual Keyboard、そしてオプションのキーボードを用いる方 法がある。もちろん、PC 上の Desktop Software で入力し、Smart-Sync する こともできる。

daVinci script

daVinci script は Graffiti によく似た、特殊な文字を使う Pen 入力文字認 識システムである。letter と number の二つの入力エリアを持つ点など、本当に 良く似ている。 そして、Graffiti をさらにシンプルにした感じだ。 例えば "Backspace" は number エリ アでしカ入力できない、などの(Graffiti に比較して)制限がある。 とはいえ、慣れれば、Graffiti 程度に使えるだろう。 文字形は英語の小文字筆記体ベースなので、Graffiti より憶えやすいかもし れない。ただ、入力エリアが Palm より若干狭いためもあってか、私にとって は、Graffiti のほうが「書きなぐり」やすいような印象を受けた。

Screen Virtual Keyboard

所謂ソフトウェアキーボードである。 文字入力エリアを3秒ほどタップし続ければ表示される。配列は Qwerty 配列。 判りやすいが、Palm と異なり記号、数字を含めた US キー配列が表示される ため、ボタンが小さく、あまり使いやすくないようだ。

外付けキーボード

そして、最後のキーボードである。いくつかの点では、なかなか良い。 ただ、肝心の入力の点では、いまいちな点もある。

まずはそのデザインから見ていこう。これは文句なく格好良い。 蝶の羽を思わせる、美しい折り畳み式のコンパクトなキーボードである。 畳んだ時に見える白と赤からなる daVinci のロゴも実にいい。 軽く、携帯性に優れたキーボードである(ソフトケースも付属している)。 配列は Qwerty ではあるが、記号類の配置は特殊である。そしてなにより、右 手と左手が分離していてかつ、「ハ」の字形の配列になっているのが特徴であ る。Smart-Sync 用のコネクタを介して筐体に直接、または、Cradle の専用コネク タを使って接続される

キーは 200LX や、Zaurus のオプションキーボードのようにゴムのようなタッ チではある。しかし、キーピッチはそこそこあり(13.5mm ほどか?)、 F と J に突 起もある。タッチタイプができないでもない。 だたし、 key rollover 機能がないため、タッチタイプでの連続入力には向かない ようだ。(この制限は、ハードウェアによるものか、ソフトウェア的な問題かは、わから ない。)また、"B" Key が右手側にあること、机の上に置いた時、軽く滑りや すいのも、タッチタイプをする上では、ちょっと問題だろう。

とはいえ、(マニュアルの図でも、そういう使いかたをしているのだが)、両手 親指入力をする分には問題ないだろう。 価格も安い($29.95)ので、本体のついでに買うのも悪くないだろう。

最後に

daVinci は価格も安くハードソフトともに良い PDA だと思う。 日本語を使う必要がないのなら、おすすめできる。 Palm と異なり、まだまだ add-on のソフトウェアは少ないが、純粋に PDA として使うならこれで十分だろう。(マニアの人ならともかく、 普通の人なら、標準アプリとヒマ潰しの2,3 のゲームでもあれば十分だろう。) 開発キットも発売 ($149) されているようなので、今後に期待できないでもな い。 少なくとも Palm 最初期の製品である Pilot 1000/ 5000 よりは、ハード、ソ フトともに良いように感じた。 これで日本語が使えれば、日本語ネイティブの方にも十分おすすめできる PDA なのだが...。今後の展開に期待したい。

Pilot Webring in Japan

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