番外編1

SPA! 12/27 「松沢堂、ピンチ!?宗教団体にニラまれる!」

--- センセーショナルなタイトルだけど、実は ---


この本について

書名
SPA! 松沢堂、ピンチ!?宗教団体にニラまれる!
ページ
100-107
発行
1995年12月27日
編集人
石光章
発行所
扶桑社

いきなりですが、番外編です (すこしタイムリーものもやっておこうと思ったのだけれど、年末の慌ただし さで、完全に時期を逸してしまった)。

この SPA! の記事は、松沢堂=松沢呉一氏が書いた 新宗教の素敵な神々 という本を出版した後の騒動の顛末を書いたものだ。 SPA! の彼の連載とは関係ない、そもそも popeye 誌に連載した記事をまとめ た本に対してのアレコレ。なんか、SPA! らしい。

さて、この本、基本的に新宗教についてはけっこう好意的に書かれているんだ けど、一部のキタネーことしてたり、イイカゲンな教団に対しては、はっきり けなしている。それで、そんな教団とトラブってるんだろうな、こいつは、おも しろいことになったと、火曜日 SPA! の電車の中吊り広告で、このタイトルを 見つけてワクワクしつつ、次の日、朝一で買って電車の中で読んだ。 なにしろ、私自身、こんな連載しているくらいで、日頃から「ここでとりあげ られた団体からニラまれたらどうしよう?」なんて考えてたんで、気にならな いわけはない。それになんといっても、 新宗教の素敵な神々 がなかなかおもしろかったしね。それほどふか〜い本ではないんだけど。

...ところが...だ、読んでみたら、なーんか、肩透かしを食ったような...。

松沢氏が「新宗教...」を出版したことにより、幾つかの教団とトラブルがお きてることは、SPA! 誌上でも既に書かれていた。たしか訴訟の準備までして いるような内容だったと思う(記憶が確かならば)。 で、訴訟といえば名誉毀損、名誉毀損といえば、カッコイイこと言っておきな がら、松沢氏に金を渡そうとした○教団とか、阪神大震災を抑えられなかった ○○教団かな?と思っていたら、これが、「アッセンブリーズ・オブ・ゴッ ド教団」、「救世軍」、「沖縄べテル教会」の3教団だそうだ。 なんで?好意的に書いてんのに?と思ったら、なんでもこの本のタイトルの 「新宗教」つーのが問題らしい(このタイトルは popeye 連載時の「ココロの 扉」から変更されたもの)。彼らは「伝統的なプロテスタントの歴史的背景を 持つ」と主張しているので、「新宗教」の枠でくくられるのが気に入らなかっ たらしい。なーるほどね。やっぱり宗教ってムズかしいわね。

んで、SPA! の記事自体は、その後のいろいろについて、書かれているんだけ ど、結局、遠方の沖縄ベテル教会以外とは和解というか、話が付いてしまった。 手短に言うと話合えばわかるつーことのようだ。

...うーむ。松沢氏自身は「ああ、面白かったと。」と書いているけど、傍観者と しては、それほど面白いものではなかったような。それは、彼にしてみれば、各 教団との交渉過程において、スリリングな体験をしたかとは思うけど、その紹 介が他人にとって、エンタテイメントとして成立してるか?というとまた別。 知的刺激剤としてもどうかな?って感じ。

一方、抗議した各団体については、自らの意見が、すくなくとも全国規模に知 れわたるとことになったし(おそらく 新宗教の素敵な神々 を読んだ人より多いはずだ)、松沢氏にしてみれば、ライターとしてのネタは できたわけだし、これって、実はとっても八方美人な記事じゃないのかしらねぇ。

とはいえ、一つだけ興味深かった、というか教訓なんだけど、新宗教って、な んか非難めいたことをすると、すぐ訴えたり実力行使にでるようなイメージ があるけど、けっしてそんなことはないらしい。ちゃーんと調べてて、事実に 反するようなことは書いてないものに対しては、それほど抗議とか、あるもん じゃないらしい。 結局宗教団体だって、自分達にとって、プラスにならないと 踏んだことはやらないってこと。やくざが金にならんことは、 実際には、なかなかやらないのと一緒ね。

「ああ、安心したなと。」


岩間の好み度(5段階):☆
コメント:
ま、たいしたことは、ねーわな。オレだっていざとなったら訴訟の準備くらい するかも(強気:-p)。


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