札幌医科大学開学50周年記念式典

 公立大学協会の荻上でございます。札幌医科大学の開学50周年、創基55周年を心よりお喜び申し上げ、公立大学を代表して一言お祝いの言葉を述べさせて頂きます。
 本学は、1945年に創立された北海道立女子医学専門学校を母体として、1950年に開学され、今年で満50歳をお迎えになったということになります。50歳は論語によれば「天命を知る」ということですが、これは「完成の域に達した」という意味かと思います。西暦2000年が開学50周年という分かり易さに対しても併せて敬意を表したいと思います。
 本学はこれまで公立の医科大学として、高度な医療をもって地域に貢献する一方で、我が国最初の公立癌研究施設の開設や我が国最初の脳神経外科の開設等時代の最先端をゆく研究・教育を基盤として医学界をリードして来られました。又、本学の研究水準が極めて高いことは、科学研究費の採択状況等を見れば一目瞭然であります。更には、臨海医学研究所のようなユニークな施設をもっていらっしゃることも本学の大きな特色であると思います。
 1993年には保健医療学部を新設して、医学系の総合大学として更に発展されました。充実した施設・設備と高い学問レベルを誇る優秀な教授陣による質の高い研究と教育が行われ、地域はもとより、国際的にも大きな貢献をしていらっしゃることは、公立大学協会としても誇りに思うところであり、誠に喜ばしい限りでございます。
 21世紀は生命科学の時代と言われています。最近の遺伝子解析を始めとする生命科学の進歩には目を瞠るものがありますが、近い将来癌を始め多くの病気がこの先進的な札幌医科大学によって制圧されることを期待しております。
 公立大学は何よりも先ず地域に根ざし、地域の期待に応える存在でなければなりませんが、50年前に札幌に医科大学を設置した北海道の医学教育に対する深い理解と積極的な意欲、並びに、50年の間十分な実績を積み重ねることによってその期待に応えてきた本学に心から敬意を表するとともに、本学が今後益々発展して満天下に公立医科大学のパワーを見せつけて下さることを祈念してお祝いの言葉と致します。
 本日は誠におめでとうございます。
[2000年6月25日 札幌グランドホテル]