結集したエネルギーを次の世紀へ

─開学50周年記念事業を終えて─

 東京都立大学は昨年開学50周年を迎えたことを記念し、「はばたけ 都立大 世界の世紀へ」を合言葉に、数多くの事業を実施しました。6月3日のオープニングセレモニーを皮切りに、記念式典、各種シンポジウム、コンサート、記念論文の募集、地域イベント、シンボルマークの制定、記念グッズの作成、写真集の刊行等々盛り沢山な企画を、全学を挙げて、また同窓生や地域の皆さんと共に、大いに盛り上げることができました。これらの記念行事を通じて都立大学の「来し方」を振り返るとともに「行く末」に思いを致し、同時に1900年代から2000年代への節目の「越し方」について考えることもできました。中でも特筆すべきは、記念事業の一環として「東京都立大学出版会」が設立できたことです。この事業は本学関係者の長年の懸案を実現したものであり、誠に喜びに堪えません。
 これらの50周年事業が全て成功裡に実現できたのは、精力的に企画・立案し的確な運営をした実行委員会及びそれを支えた事務局と、物心両面から多大な御支援を頂いた八雲会及び後援会の皆様のお陰です。心から感謝申し上げます。併せて、記念事業に参加して下さった多くの方々に改めて厚く御礼申し上げます。
 この世紀への変わり目はまた社会の変革期にも当たり、日本の大学は現在極めて厳しい状況におかれています。本学も例外ではなく、存立を賭けて改革に取り組んでいるところです。このような時期に開学50周年を迎えたことを機に、本学がこの間に築いてきた輝かしい実績を踏まえ、国際都市東京における21世紀に相応しい大学として更なる発展を目指したいと思っています。50周年記念事業に結集した学内外の多くの力を支えとして、次の50年のために、「アカデミックな大学」であり続けるために、大学改革の大事業を力強く進めていきたいと思います。
[『東京都立大学メモリアル1999─開学50周年記念事業の記録─』所載]