恵まれた環境、自由な学風、優れた教授陣
東京都立大学は1949年に設置された東京で唯一の公立総合大学です。東京都立大学条例には「東京における学術研究の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学術を研究し、あわせて都民の生活及び文化の向上発展に寄与する」と設置目的が述べられ、本学が首都東京の学問と文化の中心であることが謳われています。人文・法・経済・理・工の5学部及び大学院の人文科学・社会科学・理学・工学・都市科学の5研究科から成り、昨年開学50周年を迎えたばかりの、若く活気に溢れる大学です。
京王相模原線で南大沢に近付くと、車窓から丘の上に聳える校舎群の偉容が目に入ります。駅を出ると右手に広がる南欧風の町並みの向こうに東京都立大学のシンボルタワー「光の塔」がひときわ高く聳え、キャンパスに入るとヨーロッパ風の瀟洒な建物群が並んでいます。豊かに繁った樹々の緑が建物によく調和し、講堂や図書館が石畳に端麗な影を落としています。整備された教室や実験室、情報処理施設、AV施設、図書館に加えて運動施設等はどこにも負けない位立派です。自然に恵まれた美しいキャンパスと充実した施設・設備が本学の自慢です。
しかし、大学にとって本質的なことは、どのような教育や研究が行われているかということです。本学は「少人数教育」「アカデミックで自由な学風」及び「開かれた大学」をキーワードに、開学当初から一貫して「研究」に力点を置いてきました。それは、大学においては「優れた研究」が「優れた教育」をするための必要条件であると考えているからです。都立大学では開学以来、学閥や思想に囚われることなく優れた研究能力をもつ教員を集めてきました。これが都立大学自慢の「アカデミックで自由な学風」の源であり、小規模な大学であるにもかかわらず国際的に高く評価される研究成果をあげることができた理由です。
教員は自らの研究を基にして学生を教育し、学生は第一線の研究に接することによって知的好奇心を刺激されます。未知の問題に取り組んで自分で答えを見つけ出したときの感動、従来とは異なる独創的な見解を見出したときの感激、今まで誰も知らなかったことを自分が最初に知る喜び、これらは学問の研究をする者にしか味わうことができない醍醐味です。都立大学は少人数であるが故に卒業研究やゼミナール等でもきめこまかい指導が受けられ、この醍醐味を一人ひとりの学生に実感してもらうことができます。その結果、開学50周年を迎えたばかりの若い大学であるにもかかわらず本学の出身者は社会の各方面に進出し、第一線で活躍しています。又、本学は学部から大学院まで同一のスタッフによる一貫した研究・教育体制をとっており、大学院出身者の多くが国内外の大学や研究機関で活躍しています。
開学50周年の節目を経て、いよいよ21世紀を迎えます。東京都立大学はこれからの新しい時代に相応しい研究と教育の場を目指し「日本一の大学」「どこにもなかった新しい大学」を作ろうと、今全学を挙げて大学改革に取り組んでいるところです。新世紀の幕開けとともに、バージョン・アップした都立大学の姿をお目にかけます。どうぞ御期待下さい。
[『大学案内』2000-2001所載]