来た!見た!勝った!

 青い空と青い海、緑の芝生が目映い台場「潮風公園」に大阪府立大学を迎えて、小松応援団長の奇妙な声の「オース」で第47回府大戦が開幕した。府大は学長以下教職員全員「闘魂府大」と書いた白い鉢巻きを締めてやって来た。
 翌日から熱戦が始まった。中でもアイスホッケーは劇的な展開で印象に残った。2対1で試合終了まで残り30秒、勝利を確信して大喜びし始めた途端同点ゴールを入れられ、PS戦で1対0になり学生部長や事務局長と握手して喜んだ直後、逆転されて惜しくも敗けてしまった。野球も応援に行ったら逆転されてしまった。どうも私が応援するといけない。先日の横市戦で私と学生部長が応援に駆けつけた途端に逆転負けした前例があるので、今回は恐る恐る顔を出してみたのだが、やはり同じ結果になってしまった。学生課の職員からは「総長が顔を出すと逆転される」と非難囂々だった。選手諸君には本当に申し訳ないと思う。
 体育館入り口のスコアボードに順次○●が記入されてゆくのをはらはらしながら見守った。やっと○が14になって「立直」がかかったが、それからが長かった! サッカー場に駆けつけてみたら、同点でPK戦だという。前夜のアイスホッケーが頭を過ぎった。「総長が顔を出したので負けた」ということになっては一大事と学生課の職員の陰に隠れて応援した。リードしては追いつかれる展開でハラハラしたが、見事に決めてくれた。「本当に大丈夫ですね?」と確認してから周囲の人と握手して勝利を祝った。
 閉会式の後行われたレセプションは感動的だった。一気飲みで大騒ぎしていた諸君が、時間になって実行委員が後片付けを始めると、しっかりした足取りで潮が引くように帰り、後にはゴミ一つ落ちていなかった。「都立祭」もかくありたいものである。
開学50周年という記念すべき年の府大戦に勝利を納めることができてこんな嬉しいことはない。雨で幾つかの競技が実施できなかった年が続いていたのに加えて、開会式に雨が降って出鼻を挫かれただけに、無事に全競技を終了して総合優勝できたことは本当に素晴らしい。全力を尽して戦った選手諸君と声を限りに応援してくれた諸君に心からお礼を言いたいと思う。本当に有り難う。
[『みやこどり』府大戦特集号1999所載]