今年も暑い7月を迎え、千里の「万博記念公園」の青い空と緑の芝生を舞台に“大阪夏の陣”の火蓋が切られた。ここは30年前に万国博覧会が開催された場所であり、見覚えのある「太陽の塔」や入場ゲートが当時のまま残っていて懐かしい。府大は「なにわ魂」と書いた白い鉢巻を締め、我が方は伝統の江戸紫の鉢巻を締めて対峙した。府大の相賀学長は「我が方は硬式野球とアイスホッケーが1部に昇格しましたから、今年は頂きですよ」と鼻息が荒かったが、その割には昨年まで我が方に倍する陣容を誇っていたチアリーダーが今年は3人しかいない等迫力に欠ける。幸先よく、エール交換は我が方が圧勝だった。
翌日から熱戦が始まった。硬式野球の応援に駆けつけると、敵が凡退した後我が方が2回表に得点圏に走者を出したところだった。「敵は1部に昇格したと言うけれど大したことはなさそうだ」と声を張り上げて応援しようとしたら、学生部長に「総長が顔を出すと負けるから」といって控室へ連れ戻されてしまった。昨年のことがあるから、おとなしく従ったが、それが功を奏してか結果は楽勝だった。
柔道の試合を応援に行ったら、誰が見ても勝ちそうな選手が勝ったのは言うまでもないが、大学に入ってから柔道を始めたという1年生が見事に黒帯の相手を倒して勝ち星を稼いでくれたのが感動的だった。我が方のリードで進んでいたものの、なかなか決まらないのでハラハラしたが、柔道が勝った時点で15勝となり、「大阪夏の陣は関東方の勝利」という歴史上の事実を再現することができた。
先日の横市戦では史上初の敗北を喫して、体育会と応援団に“丸坊主”が誕生し、いつの間にか「府大戦で負けたら総長と学生部長が坊主になるそうだ」という噂が流れていたので、内心ハラハラしていたが、事なきを得てホッとしている。
全力を尽して戦い見事に敵地で優勝を飾った選手諸君、本当におめでとう。声を限りに応援してくれた応援団・チアリーダーの諸君並びに運営に尽力した体育会本部の諸君、本当に御苦労様でした。
[『みやこどり』府大戦特集号2000所載]