恵まれた環境、優れた教授陣、少人数教育で充実した学生時代を

 東京都立大学は世界の多くの著名大学と同様に都会の喧噪から離れた郊外の落ち着いた環境にあります。新宿から京王相模原線で30分余り、緑豊かな多摩の風景の中を南大沢に近づくと、車窓から丘の上に聳える校舎群の偉容が目に入ります。駅を出ると賑やかな南欧風の町並みの向こうにシンボルタワー「光の塔」がひときわ高く聳え、学問の府としての威厳を示しています。キャンパスに入るとヨーロッパ風の瀟洒な建物群が、豊かに繁った樹々の緑に調和して整然と並び、講堂や図書館が石畳に端麗な影を落としています。整備された教室や実験室、無線LANが使える情報環境、AV施設、図書館に加えて運動施設はどこにも負けないくらい立派です。自然に恵まれた美しいキャンパスと充実した施設・設備が本学の自慢です。
 しかし大学にとって何よりも大切なことは、このような自然や建物の中でどのような教育や研究が行われているかということです。本学は「少人数教育」「アカデミックで自由な学風」及び「開かれた大学」をキーワードに、開学当初から一貫して「研究」に力点を置き、国際的に高く評価される研究を土台とした高水準の教育を実践してきました。人文・法・経済・理・工の5学部がありますが、入学定員は計1000名と、総合大学としてはかなり小規模です。したがって、この恵まれた施設・設備ならびに教授陣を学生ひとりひとりが自分のものとして享受することができ、卒業研究やゼミナール等も少人数できめ細かい指導を受けることができます。
 都立大学の自慢の一つにハイレベルで充実した大学院をあげることができます。皆さんの多くは「偏差値」やイメージを基準に大学を選ぶかもしれませんが、大学院を受験するときには、どこの大学院に行けば自分が専攻したい分野の優れた指導者に巡り会えるかを考えて選びます。本学の大学院が他大学からの受験者が多いのは、本学の研究・教育体制や教授陣が優れていることの表われでしょう。学部を受験する皆さんもこのことを大学選びの参考にして下さい。
 都立大学は都心にある大学とは違い、自然には恵まれていますが「遊興施設」には恵まれていませんから、「大学に入ったら大いに遊んでやろう」と思っている人にはお勧めしません。その代わり、「勉強して自分の能力を最大限に引き出そう」と思っている人には最適な大学です。世の中は世界的な競争の時代に向かい個人の実力がますます問われるようになっています。学部を卒業して就職するとき、あるいは大学院に進学するとき、「この大学を選んでよかった」と実感することでしょう。可能性に溢れた皆さんが「環境」「施設」「教授陣」が自慢の東京都立大学を積極的に受験することを期待しています。。
[『国公立大学ガイドブック』平成15年度版所載]