スパイラル

 今年は、キャンパスの枝垂れ桜が見事だった。それに加えて、昨年植えたばかりの河津桜が早くも花を咲かせた。将来が楽しみである。
 お陰様で、昨年度は利用者が35000人を超えた。2年続けて、対前年度比5000人増を実現したことになり、永年続いていた負のスパイラル状態を脱することが出来た。「さくら館」効果が大きいと思われるが、反面、「さくら館」とそれ以外の施設との格差が目立つので、昨年度末には、国際館にシャワーとトイレを増設し、松下館にユニットバスを設置した。今年度は記念館にユニットバスを設置するなど、施設の改良に努めている。これらの応急的な施設改善により、暫くは息をつなぐことが出来ると期待するが、気を緩めれば元の木阿弥になる。経営が正のスパイラル状態を維持出来る様になるには、ハード・ソフト両面の抜本的な改善が必要である。
 教育職員免許法が改正され、2009年度から教員免許更新制度が導入されることになり、免許状更新講習の受講が義務付けられることになる。今年度はそのための試行が全国の101の機関で実施されることになり、セミナーハウスもその一つに選ばれ、3泊4日の講習を企画している。「教育立国」を目指す我が国においては、優秀な教員の確保が緊急の課題であり、そのためにセミナーハウスが些かの貢献が出来ればと願っている。
 「教育立国」を目指すからには、「米百俵」の精神を正しく理解し、実践することが強く求められる。3度の飯を2度にしても教育に投資するのが「米百俵」の精神である。教育予算を削減する様では、「教育立国」どころか、国として負のスパイラル状態が永続することになりかねない。(2008年5月)
[セミナーハウスニュース第174号所載]

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