巨星墜つ

 2月14日に、中嶋嶺雄先生が76歳の若さで逝去された。先生が、大学セミナーハウスの理事長として残された大きな業績が幾つかある。
 第1は、留学生会館の建設である。日本学生支援機構から助成を受けて建てられた3階建25室の留学生宿舎である。これにより、敷地内に外国人「居住者」がいることになり、セミナーハウスの国際性強化につながっている。
 第2は、さくら館の建設である。大学セミナーハウス開設以来40年間そのシンボル的存在であり続けたユニットハウスが老朽化の限界を超え、年間利用者が24000名を割り込むところまで追い込まれた時に、財団として開闢以来初の借金をして建設した鉄筋コンクリート3階建、135名収容の宿泊研修棟である。さくら館効果により、年間利用者が35000名まで回復し、セミナーハウスは「倒産」を回避することが出来た。
 第3は、谷を埋め立ててグランドを造成したことである。これにより敷地南部の様相は一変し、使い道のなかった急峻な谷がサッカーの練習場に化けたのである。
 第4は食堂の直営化、第5は貯水タンク設置、第6は市道開通、・・・など数え上げればきりがない。何れも「御先祖」が腰を抜かしそうな大変革であるが、そのお陰で、大学セミナーハウスは現在開館50周年に向けて営業を続けることが出来ているのである。
 中嶋元理事長の偉大な業績を称えつつ、御冥福をお祈りしたい。合掌。(2013年5月)
[セミナーハウスニュース第184号所載]

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