読書感想

5月6日

・試験に出るパズル−千葉千波の事件日記−

天才高校生・千葉千波くんが、解き明かす事件の数々(けど、最初の1件はその従兄弟で浪人生でこの本の話者の“八丁堀”君が解き明かしてるけど(^^;)。ちなみに、作者は「QED」シリーズの人。

この短編集は本編の謎解きよりも現役高校生と大学浪人生の間で交わされる日常会話の一つとしての論理パズルのほうが面白いかもしれない。いや、自分には解けませんでしたけど。

パズル好きな方はぜひ読んでみてください。

推薦度 ★★☆☆☆


5月5日

・バッキンガム宮殿の殺人

バッキンガム宮殿のメイドが探偵役となり宮殿でおきた殺人事件を解決する、という話。貴族の継承権だとかIRAを真似た過激派グループとか王室スキャンダルを追いかけるタブロイド紙の記者やら登場人物は結構多彩だし、ちょこちょこと散りばめられている小ネタなんかもあって、好きなパターンの推理小説。
書かれたのが1995年くらいということもあってあの頃の王室は大変だったよなぁ(今もか?)と思うとそんな時期に殺人事件が起きたら?というのは面白いアイデア。メイドもよくある勝手に動いて探偵やっているわけではなく、一応女王陛下に頼まれているってのも王室モノ(?)らしくていい。「女王陛下の〜」って日本語タイトルにしなかったのはやはり陳腐だからだろうか?十年位前ならそうなっていそうな気もするけど(^^;

この作品はシリーズ化しているようで、2作目3作目も王室がらみ(王室のメイドだから当たり前か)のようで今度はどんなアイデアを使っているのか楽しみにさせてくれるお話でした。

推薦度 ★★★☆☆


5月4日

・QED−式の密室−

QEDシリーズの5作目。

この、QEDシリーズは結構面白くて、昔(いや、今でもか?)「ムー」を読んでいた人には結構楽しめるはず。それ以外の人はそれなりに(^^;あ、あと歴史が好きな人も楽しめるかな?

話の進め方が少しと言うかかなり強引な感じがしないでもないんだけど、違和感無く読んでいける...かな?(^^;今回は主人公たちが過去に遭遇した事件についての話だったので少々読み足りないのが不満。

推薦度 ★★★☆☆


5月2日

・悩み多き哲学者の災難

誘拐事件の容疑者とされた哲学者が受ける災難な日々をユーモアを交えて云々、みたいな煽り文句(っていうか裏表紙のあらすじ)に惹かれたんだが自分が期待していたのものとはちょっと違っていた。

哲学者が主人公と言うことで、言葉遊びのようなものが溢れているのかなと思ったんだがそういうことを期待した時点で哲学ってものを誤解しているんだろうな。

あらすじとしてはある日誘拐事件の容疑者にされた哲学者がなんとかして無実を晴らそうとするのだが、容疑者が最後に目撃された場所と時間に居合わせたり、自分の車から容疑者の持ち物が発見されたりと不利な状況に。そのうち、夫婦間のいざこざやらなんやらが絡まってきてどーのこーの、という具合で期待した言葉遊びのようなものは殆どなし。一応哲学的(なのか?)な会話がところどころにはあるようだけど無くてもストーリは進む程度のもの。結末は思わず膝を叩いてしまうようなものでもなく、「あー、なるほどね」とつぶやく程度のものかなぁ。

けど、面白かったな。読み進めたくて平日でも夜中の2時とかまで読んでたし、いつもは寝ている電車の中でも読んでいたし。現在の仕事に対するストレスが溜まっていたってのもあるけど(^^;

推薦度 ★★☆☆☆


4月25日

・宇宙消失

21世紀のSFを代表する作家の一人、グレッグ・イーガンの「シュレディンガーの猫」が引き合いに出される理論(ってなんだったけ?)をモチーフにした長編、だと思うんだけど違うと言う人もいるだろうなぁ。まぁ、いいか。

個人的にはストーリーよりも「モッド」と呼ばれるナノテクノロジーで作られたギミックに興味を惹かれてしまった。これ、自分の脳の神経のつながりを「変えちゃう」んですよ。んで、頭の中に翻訳機やら地図やらなんやらがあって、言ってしまえば脳をスーパーコンピューターにしちゃうんですね。すごく欲しい。けど、当然誰かの奴隷(語弊があるか?)にしちゃう(されちゃう)モッドってのも存在しちゃうわけで、この話の鍵はそれだと個人的には思ってます。

「幼年期の終わり」「ブラッドミュージック」の流れを汲む本なので、終わりがなんともいえません。

推薦度 ★★★★☆


4月20日

・バッテリー(1)

巷で話題になっている天才少年ピッチャーを主人公にしたお話。帯に「これが児童文学か」みたいな煽りがあったけど、これを児童文学として出版するほうがおかしいんじゃないか、とか思ってしまうくらい読み応えアリ。

現在は6巻まで出ていて3巻までが文庫化されているけど、まとめて買うと面白くなかったときの喪失感が多きすぎて立ち直れなくなるので(^^;1巻だけ勝って読んでみました。

これが、かなり面白いです。本が好きな子供や大人は確実に、それほど好きでなくても読み始めたらとまらなくなるんじゃないかってくらい楽しめる本。多分。

主人公が年齢の割りに達観しすぎていないか?と思わないでもないんだが、そこはお話と言うことで。作者もこんな主人公を普通の学校生活させたらどうなるか?って感じで書き始めた、というようなことをあとがきで書いてたし。

けど、自分の子供が項だったら殴るね。まず。んで、野球やらせないかも。嫉妬で。やっぱり、野球の上手い人ってのに憧れたり、燃えたりしていた時期があったから、もう嫉妬しまくり。

これと平行して「おおきく振りかぶって」という漫画を読むと中学・高校野球にはまるかもしれません(^^;

推薦度 ★★★★☆


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