読書感想
3月3日

・死体は広告する

 セイヤーズが生み出した貴族探偵ピーター・ウィムジィ卿シリーズ(といっても他のシリーズを知らないけど^^;)。

 シリーズの中でもあんまり評価がよくない作品らしいけど、それも仕方がないかな。なにしろ、物語の始めからウィムジィは出ているのだけど最初の数章までそれとわからない様な構成になっているし(気づくんだけどね)、ウィムジィ卿の推理以上に読者に注目されるもう一人の登場人物がぜんぜん出てこないし。それでも、いつものセイヤーズの筆運びは時間を忘れて物語の中に没頭させてくれる。1駅乗り過ごしたこともあるし(^^;

 個人的には、謎解きが終わってラストシーンに向かう場面が一番秀逸。なんともいえない、やりきれない場面で不可欠ではないかもしれないが、必要だったんだろうなぁ...。

 それでも、やはり物足りないのは彼の執事が全然と言って良いほど出てこないこと。彼の控えめな活躍を楽しみにしていたのにちょっと残念。

推薦度 ★★★★☆


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