フットサルチーム、結成前夜

(EPISODE 0)






  時は1998年、2月某日深夜。場所は川崎の某所、国道409号線を走る白い軽自動車のワゴンの車内。
 この時の昨年末に開通した、東京湾アクアラインを見に行こうと集まった、筆者以下友人4名。
 メンバーは、筆者、全て親友で、きよ・おがちん・イズミであった。
 海ほたるの雄大な摩天楼の景色を観終わったメンバーは、皆感動の後でか少し疲れた様に無口で、
少し車内が静けさが漂う感じで、車は淡々と家路に向かって居た。

 そんな中、運転して居る筆者がふとした事に気付き、その静寂を破り話し始めた。
「考えて見たら、今日のこのメンバーって、俺以外は皆サッカー経験者なんだよね?」
「俺も今はサッカー凄く見ているし、また童心に帰ってやりたい気持ちなんだよね。」
「俺ら友達でサッカーチーム作ったら面白そうじゃない?」と

 ”きよ”と”おがちん”は小学校中学校が同じで、中学では同じクラスにも成り、授業で二人のスキルの高さは良く知っていた。
もう一人のイズミも、クラスは一緒にも成ったが、授業等でのサッカーの印象は正直強くなかったが、
転校以前は市内の名門少年サッカークラブ(府中アスレティックFCの母体的少年サッカー団)でレギュラーだったと聞くし、
それが頭に有ったので、この話題を思い付いた。

 するとメンバーもなかなか盛り上がって来て、それは面白そうだ。とか、あいつも入れたら面白いかも?
とか、俺はこのポジションがしたい!と言う様な、具体的な話まで出て来て、かなり熱の籠もった話に発展した。
 ○サダは市内の陸上短距離記録保持者だったので、誘って岡野みたいな俊足FWにしたら面白そうだ。とか、
元々イズミの友人だが、紹介され今では共通友人と成ったキムちゃんやF倉も話題に上る。
 「そう言えば、イズミの別荘、M原のゲーセンに行った時、サッカーゲームがやたら強くて、何人抜きもしてた。
曰く経験者らしい事を言ってた。」と筆者が言えば、イズミが…
 「F倉は学生時代サッカー部でテクニシャンだったらしいし、今も一緒にスポーツすると万能だ。」とか、
 色々な話が出て、非常に盛り上がったのを記憶している。
 そして、いつかこの構想が具体化したら良いね。面白いね。と言う、夢の結論に到達して、帰途に着く事に成った。
 しかしこの時のメンバーは、帰宅までのただの暇潰し、位に考えて居たので、話の内容等は直ぐに忘れた事だろう。
 が、一人筆者だけは、この日のこの会話がずっと記憶の片隅に有り、この会話が、
よもやフットサルチーム結成への触媒に成ろうとは、この時、誰も気付いては居なかった。

 勿論、この筆者までも…







そして物語は始まる…
























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