★サロメ2

 ペラや音楽会の会場に行くと、入り口で必ず音楽会チラシの束を渡してくれるものでございます。帰宅後にそのチラシを一枚ずつめくりながら「次に何聴きに行こうかな〜?」などと考えるのはなかなか楽しいもの。時には下記対談のように簡素なチラシを見ただけで「この公演のチケット買おう!」と決意することだってあるのでございます。尚、「サロメ」前回対談を未読の方は先にソチラをお読みになると、いわんやの心情をより理解して頂けるのではないかと…。

対談場所:いわんや家居間

(いわんやがNHKホールでもらってきたオペラ・演奏会のチラシの束をトホ妻が見ている)

いわんや「ちょっとオレにも見せてよ」

トホ妻 「いまアタシが見てんじゃないのよー!」

いわんや「オレがもらってきたチラシだろーがよー!ったくもう…何かいいのあった?…」

トホ妻 「ホセ・クーラの出る『アイーダ』をやるよ、ほらコレ(チラシを見せる)」

いわんや「うーん…『アイーダ』なぁ…(チラシを見るがあまり食指が動かない)」

トホ妻 「これは?ゴルチャコワが来日して『トスカ』を唄うんだって」

いわんや「…『トスカ』ねぇ…うーん…(チラシを見るがあまり食指が動かない)」

トホ妻 「ほう…武蔵野市民文化会館で『サロメ』をやるよ。一応ドイツからの引っ越し公演みたいだけど…(いわんやにチラシを渡す)」

いわんや「武蔵野市民文化会館?またずいぶん変わったところで…ふーん…『ドイツ国立デッサウ歌劇場』…デッサウってどこ?(この段階ではほとんど食指は動いていない)」

トホ妻 「知らない」

いわんや「これ…スミ一色、ワープロ打ちって…珍しいチラシだな。でもチケットはかなり安いみたいだぜ。『二度とこの料金ではできません!』って書いてある(ちょびっと食指が動き始める)」

トホ妻 「なんかオペラの公演って感じじゃないね。倒産・店じまいセールみたい(笑)」

いわんや「チラシも徹底してコスト削減してワープロ打ちにしたわけか…」

トホ妻 「誰が出るの?」

いわんや「えー…エイラーナ・ラッパライネンっていうソプラノが『サロメ』やるらしい」

トホ妻 「…知らないヒトだわ(全く食指は動いていない)」

いわんや「俺、『サロメ』って生では一度も観たことないから、チケットが安いんだったら観てもいいんだけど…どうすっかなぁ……ん?…ぷははははッ!!」

トホ妻 「何よ?」

いわんや「これ見てみ(笑)。『ミス・カリフォルニアの美貌と抜群のプロポーション!』と来たもんだ。わざわざこんなこと書くオペラのチラシなんて初めて見たぞ(笑)」

トホ妻 「ははは!それ、『サロメ』だからかなぁ?(笑)」

いわんや「『サロメ』だからだろうなぁ(笑)。ってことはだぜ?抜群のプロポーションを誇る美貌の元ミス・カリフォルニアが『7つのヴェールの踊り』を踊ってくれるってわけかオイ?(笑)」

トホ妻 「まぁそういうことなんだろうね」

いわんや「(一瞬のうちに激しく食指が動く)…これ行こうぜ」

トホ妻 「行くのぉ?まぁ『サロメ』なら行ってもいいけどさ…でもいくら顔やプロポーションが良くても声がチンケかも知れないじゃん」

いわんや「そりゃ聴いてみないとわかんないけどさ、とにかく『サロメ』で“抜群のプロポーション”とまで言われちゃあ、そりゃ見ねぇワケにはいかねえってモンだぜ(笑)」

トホ妻 「脱がない演出かもしれないわよ」

いわんや「抜群のプロポーションって宣伝しといて脱がなかったら、そりゃもうサギだぜ」

トホ妻 「……オペラ聴きに行くんじゃないのぉ〜?(ウロンな目)」

 なみに、ィーンの来日オペレッタ公演などで日本にもファンの多いメラニー・ホリデーというソプラノ歌手も確か元ミス・テキサスの肩書きを持っていたはずでございまして、ヨーロッパの歌劇場にはアメリカから渡ってきた「元ミス・ホニャララ」が少なくないようでございます。局、我々はこの「サロメ」のチケットを本当に2枚購入したのでございますが(公演は11月)、まぁ主役が元ミス・カリフォルニアだろうが何だろうが、今はレッキとしたオペラ歌手。別にプレイメイトの踊りが見られるわけではございません。もちろん、ワタクシとてヨコシマな期待を持ってチケットを買ったわけではなく、生の音楽芸術に浸りたいという純粋な…ほ、ホントですってば!!

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