★宇宙戦艦ヤマト

 前にピンクレディのパチンコ台がキッカケで、それをネタにした対談を掲載致しましたが、今回もまた「宇宙戦艦ヤマト」のパチンコ台がキッカケになった対談でございます。調べたところでは「宇宙戦艦ヤマト」の放送開始は1974年10月だそうでございまして、ほとんど「30年前の話」というわけでございます。30年も前…あああ…若者にはサッパリわからぬお話でございましょうねぇ…。

対談場所:府中駅ビル内の居酒屋「戒め」(いましめ)にて

いわんや「こないだ『宇宙戦艦ヤマト』っていう台でパチンコしたんだけどさ…」

トホ妻 「またパチンコかい」

いわんや「『宇宙戦艦ヤマト』って見てた?オレたちが高校生くらいの時だったと思うけど」

トホ妻 「うーん…たぶん全体の1割か2割の回数くらいは見てると思うよ」

いわんや「1〜2割か。まぁオレも全部見てたわけじゃないしな…いやしかしね、こないだパチンコしながら、改めてアレはなかなか傑作だと思ったわけよオレは。主題歌も軍歌みたいな曲のわりにゃ、アレンジなんかけっこうアカ抜けてるしさ」

トホ妻 「ふむ、そうかもね。演歌歌手には歌えないメロディラインだよねアレは(笑)」

いわんや「イスカンダルとガミラスが双児惑星だ、なんて設定はなかなか秀逸だと思うぜ」

トホ妻 「でもね、アタシがあのアニメで一番秀逸だと思うのは、カタキ役をショッカーみたいな悪役にしなかった点だと思うね」

いわんや「デスラー総統か?ふっふっふっ…ヤマトの諸君…はぁ、つまり非常にアタマが切れて、クールで誇り高く、ルックス的にも一応カッコいい…」

トホ妻 「そうそう。要するにカタキ役がちゃんと主人公たちに拮抗しうる魅力を持ってるわけでさ、そういう設定っていうのは、たぶん『ヤマト』が最初だと思うよ」

いわんや「そうかもな。『マグマ大使』のゴアなんかとは違うもんな」

トホ妻 「『マグマ大使』は全然見てないよ。でもね、アタシは『ヤマト』も1〜2割しか見てないけど、ヤマト全編の中で最も感動的だった回の放送はちゃんと見てるもんね」

いわんや「…?最も感動的なって…そんなの見る人によって違うじゃん」

トホ妻 「ノンノン。日本中の少年少女が一斉にダー(ToT)状態になった回ってのがあるんだよ」

いわんや「ホントかよ?ってことはだ、ヤマトとガミラス艦隊が最後に大決戦をやる、あの回か?」

トホ妻 「違う」

いわんや「あの回はスゴかったんだぜ。ガミラス艦隊が1機爆発したら次々と連鎖的に爆発してアッという間に宇宙最強の艦隊が全滅するという、30分番組ならではの急転直下の展開(笑)」

トホ妻 「その回じゃないってば」

いわんや「ってことは…あ、わかった!森雪が死ぬ回だろ!森雪が死んで、古代進が『ゆきぃぃ!』とか言って泣いてたら、森雪がなぜか生き返る…」

トホ妻 「それも違う」

いわんや「じゃ、どの回なのさ?」

トホ妻 「そりゃ〜あんた、何てったってアレよ。ヤマトがイスカンダルに着いたあとの話。ソコにはなぜか古代進クンのお兄さんがいたんだけど、彼は結局地球には戻らずに…」

いわんや「あああ!ソレね!スターシアとの愛に生きるためにイスカンダルに残る!(笑)」

トホ妻 「アレこそがヤマト全編の白眉と言える感動的な回でしょう、そりゃもう」

いわんや「…そんなに感動的だったか?大体オレ、その回、見たかなぁ?」

トホ妻 「アナタね、当時の日本の少年少女にとっては、古代守がスターシアとイスカンダルに残った回が放送された日のことは人生の大事件として深く記憶されてるんだよ」

いわんや「ぎゃはははは!ウソこけ!」

トホ妻 「ホントホント(笑)アナタは『宇宙戦艦ヤマト』が当時のコドモにいかに深刻な影響を与えたかということについて過小評価してるんだよ」

いわんや「ウソこけって」

トホ妻 「ホントだって(笑)。当時小学生くらいだった人に聞いてごらん?他のコトは全て忘れてても、古代守と進兄弟の『イスカンダル・別れの場』を見た時のことだけは覚えてるから」

いわんや「後世、それに匹敵し得る大事件は、『フランダースの犬』の最終回でネロとパトラッシュが死んだ時くらいなわけだな?(笑)」

トホ妻 「ははははははは!でもその通りなんだってば!(笑)」

 代守氏がスターシア嬢とイスカンダルに残るというエピソードはワタクシでもよく知っているくらいですから、確かにとても“有名”なのは間違いございませんが、日本中の少年少女たちにとってソレが生涯忘れ得ぬ大事件だったとまで言われると、いかにもトホ妻のホラの臭いがしてまいります。しかし、デスラー総統が「日本アニメ史上、画期的な“魅力ある悪役”であった」というトホ妻の見解は全くその通りだと思うのでございます。

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