バリ島トホホ紀行その2. 

まず小手調べはバリ・エステから…

 「バリは世界の夜明けのようだ」という言葉がございます。これは心洗われるようなバリの魅力を表すものとしてよく引用される有名な言葉でございまして、誰かエラい人が残した言葉なのですが…誰が言ったのかは忘れました(トホホ)。我々が初めてバリで朝を迎えた10月9日火曜日もまた実に爽やかな朝。個室ロッジから鬱蒼たる緑の中の小道を抜け、鳥の声を聞きながら高級リゾートの高級レストランで高級朝食を食うワレワレ。東京で立食いソバをススッていたいわんやが…こんなコトがあっていいのか…。

 て、今回の旅の大まかな概要と致しましては、バリ島の中でも「山あいの芸術の村」として有名なウブドという場所にまず3泊、最後にビーチ・リゾートのヌサ・ドゥアという場所に1泊というスケジュールでございまして、まぁ一口に申せば「最初の3日は美術館や工芸品、バリ舞踊などを楽しむ観光、最後の1日はビーチでのんびり」という構成になるわけでございます。しかも「ウブド3泊」のうちの1泊めはもう終わってしまったわけで…ああ、何て短い旅。

 の短い日程の中で少しでもバリを満喫すべく、我々はさっそく精力的に活動を開始したわけでございまして、まずその日の午後にホテル内の高級バリ・エステを予約。それまでは町をひと巡りしてみようということで様々なバリ工芸品工房を初め、絵画ギャラリーなどの芸術拠点が集積する村として有名なウブドの町に繰り出したというわけでございます。

 ブドの町まではホテルから車で7〜8分ほど。テロの影響で観光客もガタ減りなのでは?…という予想に反してけっこう観光客がウロウロしております。一番多いのがオーストラリア人と日本人、という感じでございましょうか。ワタクシがバリのネットカフェから帝国掲示板に最初の書き込みをしたのもちょうどこのウブド散策の時のことでございましたが、海外で見る自分のHPというのも、ヘンな気分でございますねえ…。

 としきり町を散策してやや遅めの昼飯を食ってホテルに戻り、いよいよ世界の女性に人気のバリ・エステ初体験の時間がやって参りました。え?もちろん、ワタクシだってやるのでございますよ。このバリ・エステ、確かにマニキュアだのフェイシャルだのといった女性向けコースもあるものの、基本的なマッサージと肌のリフレッシュ程度であれば男がやったって大丈夫でございます。この「マッサージ+肌リフレッシュ」で所要時間は2時間ですが、この辺は店によって多少は差がございます。

 て、ワタクシとトホ妻が予約した時間にホテル内スパ・ハウスに行くとすでにマッサージ担当の2名が待ち構えております。担当者は二人とも女性。ふむふむ。このへんはバンコクでタイ式マッサージも経験しているワタクシでございますから女性マッサージャー程度では驚きません。ワタクシを担当するのは竹下景子にやや似たなかなかの美人…と、こうやって自分の“担当”の女性をタレントにたとえると、だんだんサラリーマン向け夕刊紙の風俗紹介記事みたいになって参りますね…。

 こからワタクシとトホ妻はそれぞれ別室へ。まず何種類かのアロマオイルの中から好きなものをチョイス。6本くらいあるオイルを1本ずつ嗅ぐわけですが、この辺は適当に選んで、さて次は?ああ服脱ぐのね、オッケー。ところで…パンツも脱ぐの?え?やっぱ脱ぐの?うう…ある程度予想していたとは申せ、女性と二人きり…ワタクシは全裸…。ま、まぁいいや、というわけでスッポンポンになったワタクシはマッサージ台の上にうつ伏せに。その上に竹下景子はヒラリと大きめのバスタオルをかけて全身を覆ってくれます。

 っき選んだアロマオイルを手に塗って、おもむろに竹下景子のマッサージ開始。ああ〜〜〜〜ん…こりゃ気持ちいい。ああああ〜〜〜〜ん…タイ式マッサージに較べるとややソフトな感じで、そのまま眠ってしまいそうな心地よさ。ワタクシがウットリと脱力していると竹下景子が「フロムジャパン?」と話しかけてきます。「イエ〜〜ス」(気持ちよくて少し間延びしている)「ネイム?」ん、名前?ここで5年前のインドネシア出張の経験を生かして、ワタクシはサラリとインドネシア語で「ナマ サヤ イワンヤ(わたしの名前はいわんやです)」と応じたのでございます。

 いがけずワタクシの口からインドネシア語が出てちょっと驚いた様子の竹下景子もニッコリ笑って「ナマ サヤ ライ(わたしの名前はライです)」と自己紹介してくれます。おお、ライさんといわんやの間に通い始める親密な雰囲気。場所は密室…ワタクシは全裸…ああ、ライさん…そんな、いけない…隣の部屋には僕の妻が……という展開になるわけはございませんで、いわんやのインドネシア語能力はこれだけ。ライさんはあまり英語が喋れないので、我々の親密な会話は名前を教えあっただけで全てを終了し、あとは黙ってマッサージ。そこのアナタ、何を期待していたのですか?

マッサージ現場の写真はないので、部屋の写真でも御覧下さい(笑)。

 ッサージの後は薬草などをブレンドしたもの(現地の言葉では“ルルール”と言うらしい)を全身に塗ってお肌のトリートメント、まぁソフトなアカスリという感じでしょうか。ここまでは良かった。そのあと今度は何やら冷たいモノを塗られるのでございます。ワタクシは背中に冷たいものを塗られた時はソレが何だかわからなかったのですが、仰向けになって匂いでわかりました。その冷たいものとはヨーグルトでございます。うう…この辺から徐々に中年オヤジにはツラい展開になってきたような…。

 して最後のトドメはお風呂。普通のぬるま湯のお風呂でございます。身体に残った薬草やらヨーグルトやらも洗い落とすわけでございますが、しかしその湯面にはビッシリと花が浮いていて、早い話がフラワー・バス。これに入るのぉぉ?さすがのワタクシもフラワー・バスにはいささかヘキエキ致しました。風呂に入ったまま今度はアロマ・ティーのサービス。いや…まぁ、いいんだけどさ、早く風呂を出てビールか何か飲みたいんですが…。

 タクシ個人の経験では、アロママッサージは男性女性関係なく気持ちが良いものであると申せましょうが、ヨーグルトやフラワー・バスはさすがにちょっと…しかしバリのスパには「マッサージだけで1時間」といったコースも必ずございますから、男性はヨーグルトやフラワー・バスは省いてマッサージだけのコースをチョイスしても何の問題もございません。これからバリ島に行かれる女性はもちろん、男性の皆様も積極的にバリ・エステの快楽に身を委ねてはいかがでございましょう。

 ステで心身をリフレッシュしたあと、夜は本場のケチャック・ダンスとファイアー・ダンスを鑑賞。うーん…まさにバリ満喫でございます。10時近くにホテルに戻って(ちなみに、ケチャック・ダンスが終わる時間をホテルは把握していて、ちゃんと迎えの車が会場前に待っているという手回しの良さ)例によって高級リゾートの高級レストランで高級カレーを食いながら、我々のバリ2晩めは更けていったのでございました…。

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