バリ島トホホ紀行その3. 

いわんやバリ化プロジェクト始動!

 て、バリ島を歩いているとソコカシコにバリ風民族衣装を着たジモティたちを見かけます。我々が泊まったホテルのジュウボクズたちも全員がいわゆるバリ風正装というものに身を固めておりまして、これを着た人を見ると南国に来ている気分がイヤが上にも高まるというもの。特にこのバリ風民俗衣装のポイントは何と申しましてもサロンと呼ばれる腰に巻く布でございまして、これを巻くともうそれだけで「バリ化」の印象度がかなり高くなるわけでございます。

 ころが、何と我々が泊まったホテルでは宿泊客全員にこの腰布をプレゼントしてくれたのでございます。さすがチョ〜高級リゾート!これは嬉しい。さっそくコレを巻いて鏡を見ると、ちょびっとだけ「バリ化」した自分がいます。こうなると、バリ風正装の他のアイテムも揃えたくなるのが人情。男性の場合、頭にはウドンという布を巻き、上着として白いサファリを着るのですが、これがまたけっこうカッコいい。「南方系」の顔をしたワタクシならきっと似合うはず…。だんだんその気になって参りました。

 めしに、ですよ?いわんやが完全に「バリ化」した状態を絵でシミュレーション致しますと、右図のような感じになるわけでございますが…おおお!こうして自分で描いてみてもホレボレするほど似合う!正式には腰布は2枚巻くのですが(右図の場合で言うと茶色いのと黄色いの)、この際それは1枚にマケとくことにすれば、必要なのは頭に巻くウドンと白い上着(バジュ・サファリ)と腰布。腰布はすでにホテルからプレゼントしてもらったわけですからあとはウドンと上着だ!メラメラと「バリ化」に向けて意欲を燃やし始めるいわんや。仮にこのバリ風正装を揃えたとして、一体日本に戻ってからどうする気なんだ?コレ着て府中の街を歩くのか?正気かオマエ?…という自分自身の理性の声(及びトホ妻の声)が聞こえたような気も致しますが、いやしかし、上着が無理でもせめて頭に巻くウドンだけは何とかしたいぞ…!

 かしアセってはいけません。「海外床屋フェチ」のワタクシとしては、まずヘアスタイルの「バリ化」から着手せねば。前日のウブド散策の時に、すでにワタクシは数件のビューティサロン(バリには男性向け床屋というものがない…?のかな?)の存在を確認しておったのでございまして、本日午後のウブド観光においてまず真っ先にその中の1件に足を運んだのでございました。折しもその時は南国らしいスコールの真っ最中。土砂降りの中、傘をさして必死になってビューティーサロンを目指す観光客なんて、バリ広しと言えどもワタクシくらいのものでございましょうねぇ…。

 々が入ったビューティサロンはおカミさんと数人の娘が手伝っているという形の店でございましたが、その娘たちがなぜか美人揃い(巻末特別グラビア参照)。怪しい外人観光客の訪問が珍しかったのか、その娘たちは母親がワタクシの髪を刈るのをジッと見守っています。おまけに雨宿りも兼ねて座っているトホ妻もいるわけでございますから、いわんやの人生10件目の海外トコヤ体験はやたらと“観客”の多い状況でございます。

 髪自体は母親理髪師の慣れた手際で20分ほどで終了。値段は…確か3万ルピアほど(400円くらい)だったはずで、いやはや安い。しかしこれでまず頭髪の「バリ化」はツツガなく終了致しました。次なる目標はその「バリ化した頭」に巻くウドン購入だ!

ウブドで見かけた祭礼。男は全員、頭にウドン巻いてるでしょう?

 のウドン、実際には大きな三角形の布を何やら上手い具合に巻き付けるものらしいのですが、どうやってあの形に折り曲げるのか?そもそもどこで購入できるのか?数件の土産物屋に「ウドン、ある?」と聞いても首をふるばかり。うーん、見つからないとなるとますます欲しくなるウドン。ところが何件目かの土産物屋で「ウドン、ある?」と聞いたらそこのオババが「オー、ウドン!」と叫んで奥から何やら持って参りました。んん?これは最初から形が出来ていて、あとは巻くだけの「簡便タイプ」では?

 ぁ仕方ない。あとで見つからずに後悔するよりここでまず簡便タイプを買っておくか、と思って値段を聞くと8万5000ルピア。床屋の3倍近く!明らかにフッカケてきております。しかもこのオババ、ワタクシの頭にそれを巻き付けると「ニアウーッ!」「カワイーッ!」「セクシーッ!」と怪し気な日本語を連発。そこで価格交渉が始まったわけですが、何せコチラには「欲しくてしかたない」という弱味がございますので、7万5000ルピア(約1000円)という、オババの要求額に近い線で妥結せざるを得なかったのでございます。

 なみに、後に別の土産物屋で購入した簡便でない方の、大きな三角形のウドンは3万6000ルピア(約450円)。まぁ簡便タイプの方は折った形に縫い合わせたりして、製造に若干手間がかかっておりますから多少高いとしても…まぁ5万ルピアくらいが妥当なところではないかと存じます。ちくしょう、ヤリテババアにしてやられてしまったぜ…チョ〜高級リゾートに泊まりながらも、つい本性が出て数百円の違いにこだわるこのセコさ。貧乏人の悲しいサガでございますねぇ…。

 ちろん、三角形の布状のウドンをどうやって折ってどうやって巻き付けて、どうやって最後の三角の部分を折り曲げるか(これをやらないと日本風の幽霊みたいにオデコの上に三角部分が出来てしまう)のかもキチンと聞いておかねばなりません。これはホテルに帰ってから、ジュウボクズの一人に聞いたのですが、彼は親切にも自分の頭に巻いたウドンをはずして、説明してくれたのでございます。よっしゃー!これで腰布入手→ヘアスタイルバリ化→ウドン入手→ウドン巻き方習得、というところまでクリアできたぞ!プロジェクト完遂あと一歩だ!

 の後、白い上着(バジュ・サファリ)を売ってる店も捜したのですが、こちらは残念ながら男性用を売っている店がなかなか見つかりません。まぁジックリ捜せばあったのでしょうが何せ短い日程。結局「いわんやバリ化プロジェクト」はヘアスタイル・腰布・ウドンというステップまでで頓挫してしまったのでございました。くっそ〜…。ま、もっとも全身すべて完璧にバリ化に成功したとしても、日本に戻ってから着用する機会があるとも思えなかったわけでございますが…。

 、ついでと申してはナンでございますが、バリ風正装姿のトホ妻を絵でシミュレーション致しますと左図のような感じになります。おそらく日本人女性であればこの格好が似合う方はけっこう多いのではないでしょうか?しかもトホ妻は憎たらしくもこの女性用上着に似た白いプラウスをたまたま持っていたため、ホテルでもらった腰布と黄色いベルトを巻くとワタクシよりはるかに「バリ化」するのでございます。ちっくしょう〜…(←マジに嫉妬してる)。こうなったら日本であの男性用上着に似た白い服を捜してやる!「いわんやバリ化プロジェクト」に終わりはなーい!

    

     

    

バリ島トホホ紀行INDEXに戻る   その4を読む