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109キーボードに目覚める?
あなたは、109キーボードが好きですか?
私は嫌いでした。しかし、それも過去のこと...。
「109キーボード?なにそれ?ああ、普通のキーボードのことね。」
普通の人の反応はそんなものだろうと思う。
そもそも、109以外の配列があるなんて思ってもいない人も多いことだろう。
もっとも、このページを発見したようなモノズキな御仁の中には「109?ケッ!」という感じの方も多いかもしれない。
実際、ちょっとコンピュータに詳しい人の間では、109に限らず日本語キーボードを嫌う人は少なからずいるようだ。
iBook のキーボードを選択できるようにすべきだ!という、署名運動があったことは、記憶に新しいところだろう。
で、嫌われる理由としては、「スペースバーの周りがごちゃごちゃしてイヤ。スペースバーも短かいし。」とか、「キートップにひらがなとかいろいろ書いてて美しくない!」とか、「Enter
キーの形が嫌い」とか、言うのが大きなところだろうか。
美しくない、という審美的理由は(それはそれで重要だが)さておき、結局真の原因としては、かな入力をしてる人が少ないということと、「変換」、「無変換」キーを使ってる人が少ないということが大きな要因ではないだろうか。104では、基本的にかな入力はできないくらいだし、109でかな入力をしている人でも。「変換」、「無変換」キーを使っている人は、あまり見たことがない。親指シフターの方が多いぐらいだ。
さらに、英字、英記号を入力する機会の多い人には、モード切り変えが面倒だという、積極的に嫌われる理由もある。私の周りでもプログラマの人になると、ほとんどローマ字入力ばかりだ。プログラミング(特にC)に使う記号も104のほうが入力しやすいこともあって、109は嫌われているようだ。
かく言う私もご他聞に漏れず、109は嫌ってた。
私の世代(60年代後半生れ)の理系クンに多いと思が、80年代終盤〜90年代初頭の学生時代に UNIX ワークステーションの洗礼を受けて、すっかり、US
配列キーボードが体に染みついてしまった。当時、私の周りは Sun WS (キーボードはType 3や4だったと思う), Sony NEWS, DecStation
などで、エディタは Emacs、日本語入力は SKK などという環境だったため、「Ctrl は A の隣じゃなきゃイカン!」という、原理主義者になってしまっていた。
そのようなワケで、パソコンを買っても附属の日本語キーボードはさっさと処分して、英語キーボードを物色し、CtrlとCaps 、'\' と Backspace
を入れ変えたり(以前は、今よりスィッチを使ったキーボードが多く、ジャンパによる改造も気楽に出来た)、キーボードがかえられないノートはムリヤリ英語配列ドライバ使用なんていう人間になりはてていた(こまったもんだ^^;)。
そんなもんだから、bit のキーボードの連載や、PFU Happy Hacking Keyboard のページにハマり、結局 Happy Hacking
Keyboard 2 も気が付いたら買っていた。
そんな私ではあったが、ふとしたきっかけ、109キーボードに目醒めてしまった。本当に意外ではあるが。
その、きっかけの1つは、仕事でどうしても109キーボードを使わざるを得な状況に追い込まれたことである。その仕事マシンはキーボードドライバの変更ができなかった。それで仕方なく、109をだましだまし使い始めた。コレで、109アレルギーはやや解消。少なくとも、見るのもイヤというのはなくなった。
もう1つのきっかけはLisp Machine のキーボードの再発見である。bit の連載を読でいたので、Lisp Machine のその特徴的なキーボードのことは、知ってはいた。そして最初の
RMS による Emacs もこのキー配置に合わせて作られたということも知っていた。でも、忘れさっていた。
ところが、ふと109をイヤイヤ使い始めてからのある日、PFU のサイトの Lisp Machine の配列を偶々見直した。そういや、Lisp Machine
のキーボードって Ctrl は スペースバーの隣りにあるんだったよなぁ...。でその隣りには、Meta, Super, Hyper と良く使い方の判らないキーが並んでるんだっけ...。
さらに、もう1つのきっかけは、Erase-Eae という機能を持ったキーボードの存在を知ったことだ。これは、通常スペースバーある部分が二つに別れていて、デフォルトでは、左のバーが
Backspace 、右のバーが Space になっているというものだ。たしかに Backspace は頻繁に押すキーだから(私がタイプミス多いだけ?)これは便利かも、と思った。
とまぁ、そんなことを思いつつ、手元の109キーボードを見ると...お!!、スペースの隣りには、使ってない「無変換」、「変換」の2つのキーがあるじゃなの!しかも、Alt
は Emacs では Meta キーの代りに使うから、無変換を Ctrl に割り当てると、ちょっと Lisp Machine ポイぞ!109 だって、ドライバ変えれば
104 配列とほぼ同様の配列で使えるから、「無変換」、「変換」、「ひらがな」の3つのキーがある分、カスタマイズの自由度が高いぞ!ってなことに気がついてしまったわけだ。
そんなこんなで、私は109キーボードの素晴しさに気がついてしまったわけだ。もっとも、本来の109の使い方とは全く異なるわけだが...(^^;)。