朝起きてみて驚いた。窓の外の景色は真っ白で、しかもまだしんしんと雪が降っているではないか。朝食を済ませ、バスで県立大学へ向かった。雪のために普段の倍位かかって大学に着いた。一面の銀世界である。雪が降り続いているので、残念ながら岩手山も姫神山も見えない。
雪の中を駆けつけた増田知事から歓迎の挨拶があり、岩手県が県立大学にかける熱意が並々ならぬものであることを感じることができた。引き続き、宮城大学の野田学長と岩手県立大学の西澤学長から基調講演をして頂き、質疑を行った。昼食後は、3班に分かれて討論を行った。予め行ったアンケート調査で希望の多かったテーマを3つ選んで各班に割り振り、そのテーマを含めて自由に意見交換をした。第1班は「財政」、第2班は「管理運営」、第3班は「公大協の活性化」をメインテーマにして2時間半にわたり議論を展開してもらった。
分科会が終わった後、学内見学をした。500億円を投じて作ったというだけあって流石に素晴らしい! ゆとりあるスペース、充分な施設・設備、どれをとっても羨ましい限りである。特に、ソフトウェア情報学科では新入生から全員が自分の机とパソコンを与えられているという。「是非うちの事務局長に見せたいね」という声があちこちから聞かれた。
昼頃まで降った雪は15センチ程積もっている。この時期にこれほど降るのは珍しいという。公立大学の学長達を歓迎するため天が特別な演出をしてくれたらしい。バスで今夜の宿舎である花巻温泉千秋閣へ向かった。風呂に入って、夕食を食べながら自由に懇談し、合間に花巻の郷土芸能「鬼剣舞」の実演を鑑賞した。その後、予定にはなかったが公立大学学長カラオケ大会が開催され、野田学長、児玉学長、白子学長、加藤学長、錦係長、桜田女史等が自慢の喉を披露した。公立大学学長のカラオケのレベルは驚くほど高いことが分かった。但し、私は“犬吠崎派”免許皆伝の腕前であるから滅多なことではマイクを握らない。
最終日は、前日の分科会の議論の様子を白子学長、加藤学長、児玉学長から報告してもらい、それを元に全員で活発な意見交換を行った。公立大学協会の部会や委員会の多くが形骸化している現状を改めること、相互の情報交換機能を強化すること、事務局体制を強化すること、・・・、等幾つかの課題が確認された。
研修会終了後、時間のある者は宮沢賢治記念館を見学し、「やぶ屋」でわんこ蕎麦を体験した。私は70杯食べて「大関」の認定証をもらった。
初めての試みであり、しかも急な企画とあってどうなるか不安であったが、会員校の半数を超える出席があり、極めて活発な意見交換ができたことは有意義だった。お忙しい中を日程をやりくりして参加して下さった学長の皆さんに御礼を申し上げるとともに、会場をお引き受け頂き至れり尽くせりのお世話をして下さった岩手県立大学に心から感謝申し上げたい。