2004.06.17
誤字等No.085
Google検索結果 2004/06/17 曖味:273件
「はっきりしない」と言う意味の「あいまい」、漢字で書けますか?
なんとなくは覚えていても、そらで書けるかどうかと問われれば自信のない人が多いのではないでしょうか。
何もない状態からではなく、「選択肢」が用意されていたとしたらどうでしょう。
分かりますか?
どれも、似たような文字ですね。余計に混乱してしまうかもしれません。
正解は「曖昧」です。実は、上記のどれでもありませんでした。
よく見比べれば、微妙な違いが分かるはずです。
これだけ微妙な違いだと、並べて書かれない限り意識することは難しくなります。
特に指摘されなければ、何の疑いもなくすべて「あいまい」と読んでしまうことでしょう。
人間の記憶とは、実に曖昧なものですね。
この手の言葉は、「かな漢字変換」を使って入力している分には間違えようがありません。
一方で、「手書き」や「OCRの読み取り」では誤字となる可能性が非常に高い言葉です。
このような特性は、似字科の誤字等を特徴付けるものとなっています。
特に今回のようなケースでは、「曖」「昧」ともに使用頻度の低い漢字であり、誤字の発見はとりわけ難しくなっています。
「似た形の漢字」が存在することを知らない限り、たとえ誤字があっても発見すること自体が不可能となるでしょう。
こんなときに重要なポイントを占めるのが、「校正」という作業です。
簡単に気付く誤字を見つけ出すだけなら、素人にもできます。
しかし「曖味」のように微妙な誤字では、なかなかそうもいきません。
校正担当者の腕の見せ所であり、同時に校正作業そのものの存在価値にも関わります。
言い方を変えれば、このような誤字を見つけ出せるかどうかが校正のレベルを示し、もし見逃すようなら「未熟」ということになります。
人の力でチェックすることに限界があるのであれば、校正機能を持つソフトウェアを導入するという手もあります。
いずれにせよ、こういった微妙な誤字を確実に発見することができれば、校正作業が実践レベルで機能している証明となるでしょう。
曖昧な記憶に頼った曖昧なままの文章では、肝心な論点も曖昧なものになりかねません。
私的な雑文ならいざ知らず、公式文書として公開する気があるのであれば。
せめて漢字くらいは、曖昧さを排除した正確な表記を心掛けるようにしたいものです。
日本人とは、かくも「似たような字形」に弱いのでしょうか。
このような「似たような字形」が原因と思われる誤字等の品種を、「似字科(じじか)」と命名しました。
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