2004.11.03
誤字等の館 (ごじらのやかた) に寄せられる読者様のコメントに対して館主が答える「誤字等の談話室」、その第7弾です。
おもいちがいも誤字のうちということの様ですので、 ひとつ投稿いたします。 本来「ローマ数字」とかくべきところに「ギリシャ数字」と かいてあることがよくあります。 たとえば、こんな感じです。 ギリシャ数字 機種依存文字 の検索結果 約 292 件 ギリシャ数字 文字化け の検索結果 約 205 件
「ローマ数字」に「ギリシャ数字」、もひとつ加えて「アラビア数字」。
確かに、このあたりがごっちゃになってしまっている人は多そうです。
「ギリシャ数字」なるものも確かに実在しますが、それは時計の文字盤でお馴染みの「I, II, III, IV, V, …」とは全くの別物。
日本には、ほとんど知られていない表記法です。
そして、本来の「ローマ数字」を「ギリシャ数字」と呼んでしまう人は、代わりに「アラビア数字(いわゆる算用数字)」のことを「ローマ数字」と呼んだりしますね。
知ったか顔で、「ギリシャ数字は文字化けするからローマ数字で書きなさい」なんて他人に指示する人がいたりしたら、もう「赤っ恥」としか言いようがありません。
どこかの誰かが間違って書いてしまったものを、受け売りで自説に取り入れてしまったのでしょうか。
偉そうに解説を展開しているからといって、知識が確かとは限らないわけですね。
まぁ、かく言う私自身、言語学の素養があるわけでもないのにこんなサイトを開いているわけで。
人のことは言えないかもしれません。
知識が曖昧なら、それを自覚し、何かを述べる前には調べて確認するくらいの心構えは忘れたくないものです。
「ファイアフォール」に関して。「・・・ワール」という亜種もあります。 wallをワールと読んでしまうケースです。検索してみたら、通信系の文章よ り、ゲームの技の名前らしい記事が多くヒットしました。おそらく何かのゲ ーム上でそう表記されていて、たとえ筆者が「これは本当はウォールだよ な」と思っても、この場合は原文に忠実に書くべきなのでしょうね。
見ました。
確かに、何かのゲームにおける「魔法」の名前として、たくさんヒットしますね。
「炎の壁」と添え書きしてあることもあるし、あきらかに「fire wall」でしょう。
しかし、いくらなんでも「wall」を「ワール」と読むなんて…
小学校で「ローマ字」を教えたことが、悪い形で影響しているのでしょうか。
「ワーニング」や「アワード」といった例もありますが、「ワール」には閉口です。
そうなると、「walk」は「ワーク」で、「work」は「ウォーク」になるんでしょうか?
手持ち豚さんですが、コナミの「がんばれゴエモンからくり道中」MSX版に 「てもちぶたさん」という台詞がありました。誤字を楽しむ文化がいつ頃から 存在するのか、調べてみると面白いかも知れません(万葉仮名の時代までさか のぼれたりして)。 烏取県というネタはNetNewsのfj.jokesで流行ったので、古くからのネットユ ーザに限ればその影響があるかも知れません。面白いジョークに(勝手に)与え られる烏取賞というものもありました。
「誤字を楽しむ文化」、悪くないですね。
言葉に多少の変形を加えた上で「洒落」として楽しむといった手法は、よくあることでしょう。
一歩間違えると、寒い「おやじギャグ」になってしまいそうですが…
最近は、 「お会計の方は、xxx円になります。」 (〜の方、〜になります、は間違いらしい。) とか、 「xxx円からお預かりします。」 (「から」、はいらないらしい。) とか、 「ご注文は以上でよろしかったですか?」 (過去形はおかしいらしい。) とかよく耳にすると思うのですが、どう思われますか? タクシーで目的地に着いたときも、 「〜(地名)になります。」と言う運転手もいるらしいです。 成増だったら、「成増になります」になるんだろうか…。
コンビニの店員やファミレスのウェイターが使う「妙な日本語」は、よく槍玉に挙げられますね。
タクシーの運転手が使うとは、初めて聞きましたが。
一般的に、「〜の方」は完全に「不要」、「〜になります」は「〜です」で置き換えがききます。
「から」も「意味がある」とする説もありますが、必要ないでしょう。
「過去形」については、それが普通の表現となる地方もあるとのことです。
とは言え、一般的な標準語では「余計」ですね。
こういった「余分な修飾」は、普段の言葉遣いと「リズム」を変えるために必要とされているようにも見えます。
本人としては、精一杯「丁寧な言葉遣い」をしようとしている努力の結果なのかもしれません。
しかしその実態は、学習を放棄し、安易な模倣による適当な言葉遣いでごまかしている怠惰の結果です。
それは、よく言われる「日本語の乱れ」といった次元の問題ではありません。
「敬語が苦手」といったレベルの問題でもありません。
「言葉」に対する「心構え」の問題です。
「認識」を改めるような機会に恵まれない限り、これら「妙な日本語」が修正される可能性は低いでしょう。
「科学枝術」の回に出てきた「必殺枝」、あれはきっと、「必殺仕事人」の「花屋の政」が 使う枝のことでしょう(笑)
なるほど、納得です (笑)。
「必殺枝」は、「亜種」としてご紹介したにもかかわらず、なかなかの人気です。
「必殺技」という言葉の持つ語感と、「枝」とのギャップが面白いのでしょうね。
WEB上では件数の少ない誤字ですが、小学生の手書き文章などには、きっとたくさん登場していることでしょう。
大人になって自らの作文を読み返し、「枝(えだ)かよっ!」と自分にツッコミを入れている姿が目に浮かびます。