'02年度 四年生/夏休み医 学 生 日 記
子供達とのその父兄たちの大所帯で山のきれいなキャンプ場で一泊キャンプ。夜のハイキングで道を のろのろ歩く光るホタルの幼虫を発見!!!朝のハイキングでは子供達を連れた状態でマムシに遭遇。 →えにっ記
迎賓館赤坂離宮の一般公開の抽選に当たったので見学。明治時代にフランスの宮廷を真似て力の限り 頑張って建てた洋館で、今も海外からの賓客を迎えるのによく使われる。チビベルサイユという感じで 確かに住むには落ち着かない館だが、隅々まで気合の入った華やかさで、洋館見物も久し振りだったので とても楽しかった。見学は年一回で、全国から見物に来ている人々を時間で区切って案内する。中高年の人が圧倒的に多く、 おそろいのバッジをつけてぞろぞろ行く。案内や誘導のためあちこちにスタンバイしているアルバイトの人 は炎天下で汗だく。楽しそうな見物人とは対照的に、実にきつそうだった。
下の子が9度を超える熱を出した。それ自体はそう珍しいことでもないし対処法も分かっているので 困りはしなかったが、いつになくしつこい高熱だった。解熱剤は効くものの、気分よくなって暴れてなお 悪くなるので熱に任せた。(医者で抗生剤などの薬はもらった)3日目下がってきたらものすごい目の充血。 殴られたかと思うようなまっかっかで左右非対称。咳も頭痛も鼻水も無くて、変な風邪。で、治ったと思ったら翌日上の子が同じ高熱。同じように何も食べず、ぐったり。3日目下がってくる頃片目が 真っ赤な充血。充血か出血か分からないぐらい真っ赤。まー見事に同じ。同じ菌なんだねぇ〜と感心してい て添い寝しながら手を握って熱を見ていると、ドキ!。手の指先が爪のとこからぽろぽろ皮がむけてきている。 10本全部。何日も続く高熱、目の充血。指の皮の剥落。これだけだとすごく似ている。川崎病に。そんな症状 のひどいのが続いて、その一部の子に血管の炎症が起きて、心臓あたりの動脈瘤で突然死することがあるので 一時期非常に騒がれた小児の病気だ。ただし、それなら解熱剤が効かないはずだし、熱は5日以上続くはずだ し、小さい子に多いはず。それに原因不明とはいえ風邪のようにうつるのもではないはず。でも教科書から 外れるタイプはいくらでもあるし・・
と案じていると、なんと今度はだんな発熱。同じ頭痛も咳も無い高熱。3日目にみごとに真っ赤な目の充血。 いくらなんでもこれは違うよね・・??帰省中だったのでみんなのんびり寝て養生してすっかり元気になっ たが、あとで他のついででかかりつけ医に行ったとき、聞いてみた。(もし川崎病なら心血管に異常が無いか エコーなどで経過観察しなければならない)先週こんな高熱で、目が真っ赤になって、指の皮むけて・・
「ははぁ、お母さん、川崎病の心配してるね。普通はもっと小さい子だし、熱ももっとひどいはずだから 大丈夫でしょう。」ほっ。それにそのあとお姉ちゃんにうつって父親まで同じことにとになったんですよね。 「そりゃ絶対違うよぉ。もしそれで川崎病だったら、研究に大きく一役買えるね。溶連菌感染の風邪で 似たようになるからそれでしょう。」よかったよかった。それにしても四六時中、3人の高熱の人に張り付い てたのに全然感染らなかった私の体内の免疫さんたちは相当頑張ったのだろう。
川崎病は原因不明だが、その溶連菌の感染によるアレルギー説が有力らしい。確かに今回とてもよく似た 弱い症状版って感じだったけど。インターネットで検索すると、川崎病で闘病している子供の親のページは 沢山あり、本当に小さな赤ちゃんや子供が何ヶ月も入院し、動脈瘤の変化に一喜一憂し大変なものなんだと 改めて勉強になった。教科書や文献は大変有用で勉強になるが、患者やその家族のページはそれとは全く 違う情報が非常に豊富でいつも本当に勉強になる。
沖永良部島の浅瀬で子供とシュノーケルしながら浮き袋でぽへーんと浮いていると、下の海底の白い砂の上 を1m近い、黒と水色の縞模様も美しい平べったい海蛇が泳いでいった。あの模様、平べったい体、 医動物学でやったな〜。海の生き物に強い海育ちの先生が楽しそうに色々話してくれたっけ。エラブウミヘビ。 相当きつい毒を持つウミヘビ。ただしすごーーーく大人しくて、つかんでも口こじ開けてもまず噛まない らしい。おっとりしたこの島らしいというか。(記録上一人だけ噛まれた人がいて死亡しているが) どうやら毒は獲物の小動物を仕留めるのに使うもので、身を守る攻撃用に使うという発想が無いらしい。この夏はマムシにも遭遇したし、これで日本の水陸のメイン毒蛇制覇?!。