まさおのにっき
1997年4月19日号


今週の体重。83kg
(4/19計測)

先週との差 +0.5kg


4月19日(土)曇

今週の水曜日(16日)はけっこうハードだった。まず昼間は千葉の茂原にある病院の老人ケアセンターの慰問のコンサートで、現地10時半入りなので朝6時半(!)に高円寺に集合、みんなで車で現地に向かう。夜には恵比寿でビッグバンドのライブがあり、飛んで帰ってくるというスケジュール。しかも5時からのリハに間に合わせろとのバンマスのおたっしがあり、昼の仕事はエレキベースだったのでウッドベースを取りに帰る時間は無く、ドラムの人にウッドベースを前日預けて直接持って行ってもらい、私は直接店に向かうという綱渡り計画。
実際には、2時半に終わる予定のコンサートは当然のように押して2時50分頃になり、しかも飛び入り歌合戦まで始まってしまったので、私一人そそくさとかたずけて職員の方に頼んで駅まで送って頂き、まえもってチェックしておいた3時40分 発の東京行き特急に充分に間に合うと思ったら時間になっても全然特急が来る気配がなく、時刻表を見たらその特急は土日運転(!)。慌ててドアが閉まりかけていた普通列車に飛び込み(自殺ではない)、途中で総武線快速に乗り換え、東京から山手線に乗り、恵比寿にについたのが5時半、なんとかリハに参加できた。ああしんど。
なんで少ない仕事なのに同じ日に重なるんでしょうねえ。現に次の日から明日までは4連休なのに。今回は昼と夜だったので両方出来たからまだいいけど、同じ日に2、3件重なって断わらなきゃならないことも多い。前後の日はガラあきだっていうのに。

その慰問コンサートだけど、結構楽しくやらせていただきました。岡田さん(男性)という方の歌謡・民謡ショーなんだけど、尺八・三味線も上手だし、楽しませかたをよく知ってますよね。これぞ「日本のエンターテイメント」とでもいいましょうか。けっこうベタなギャグとかがまたシブい。
ステージで自分で三味線用にマイクをセットしながら、

「いやあ、人手がないから全部自分でやらにゃあかんのですよ。どん帳も無いしね。こういうのをのうまくえん(脳膜炎?)っていうんですよ。」

受けてたけど、病院でお年寄りを前にこういう事言っていいんでしょうか。いや、だからこそ受けるのか。
楽屋でも、ギターを歯で弾く人がいるという話をしてたら、

「そりゃまた、ハデやねえ。その曲はやっぱりハ長調かい?」

うーん、すごいパワー。見習わないと。
とにかく、踊りもはいったりして、おじいちゃんおばあちゃんも楽しんでくれたようなのでなによりでした。

津軽三味線や尺八の本格的な演奏を生で聴くのはひょっとしたら初めてかもしれない。とにかくいい音なんですよ、これが。感動しました。人の息の音、その奥から竹の声が聞えてくるような尺八の音。軽いようで、それでいて体の奥にずっしりと響くような三味線の音。日本に生まれて32年、聴く機会がほとんど無かったことが恥ずかしいと同時に、今の日本の音楽事情、生活環境に少々疑問を感じずにはいられない。

竹林を吹き抜ける風の音、それが尺八の理想の音だという。三味線には「さわり」というのがあり、一の糸(一番太い糸)の高さを調節し、指板(三味線だとさお)と糸がぶつかり、わずかにビリつくようにしておく。そうすると、「かんどころ」という、音程がぴったりあったところを弾くと、一の糸がウイーンと唸りはじめる。それが「粋」なのだという。そういえば、虫の音や、川のせせらぎなどの自然の音を「美しい」と感じるのは日本人独特の感覚だという話を聞いた事がある。農耕民族である日本人にとって一番大切なのは気候の変化であり、自然に対しての感覚が鋭くなったという説もある。日本人の感覚は「風に対して開いている」と表現した人もいた。しかし、私も含めて、今の多くの人達は本当に「風の声」を聞いているだろうか。もっともっと耳を澄ませば、いや、耳だけでなく体全体の感覚を澄ませば、風は雄弁に語り始めるかもしれない。花粉もついでに運んでくるけど。
とにかく、そんな中で育まれてきた日本の音楽、楽器が日本人にとって良くないはずはないのだから、できるだけ接する機会を増やしたいものです。

今日の小話。
前回、ちょっとした間違い特集をやったけど、もう一つ思い出したので紹介しときます。

ラジオで聞いた話。いつも自分はブスだと悩んでいる友達が失恋して落ち込んでいるので、「人間は顔じゃないよ。」といって励まそうとしたら、つい

「人間顔じゃないよ!」

それ以来、口をきいてもらえないそうです。

もう疲れたので、この辺にしておきます。

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