サトュルヌス展開催記念特別企画        2003年6月2日 芸術面

 のたび、帝国美術館においてわがトホ妻帝国タイムスも協賛する世界初の「サトュルヌス展」が開催される運びとなりました。そこで、本紙では「サトュルヌス展」開催を記念して、有名な「我が子を食らうサトュルヌス」の作品を展覧会に先駆けて幾つか御覧頂くわけでございます。特に今回はルーベンス作とされながら、その存在が謎に包まれていた「サトュルヌス」の貴重な復元画が展示されるなど、意欲的な展覧会として世界の美術愛好家からも熱い注目を浴びております。

   

作品1:ゴヤ「我が子を食らうサトュルヌス」

 や〜…この絵は何度見てもスゴい。さすがはゴヤ。見る者全てに深刻な衝撃を与えずにはおかぬような、鬼気迫る絵でございます。

 れはゴヤが晩年になってから描きあげた、いわゆる「黒い絵」のシリーズの中の一つでございますが、人間の暗黒面をエグリ出すような「黒い絵」の作品群の中でも出色の一枚として有名な絵。生まれてきた我が子を片っ端からムサボリ食うサトュルヌスの呪われた運命がナマナマしく迫ってくるようで、実にスゴい絵でございます。

 じ題材の絵は他にも多くの画家が描いておりますが、このゴヤの作品が余りにも衝撃的なので、「我が子を食らうサトュルヌス」と言えば何と言ってもゴヤのこの絵が有名なのも当然。あとはまぁ、似たりよったりと言えなくもございませんが、その中で、ルーベンス氏の作品はどうかと申しますと…

  

  

   

   

作品2:ルーベンス「我が子を食らうサトュルヌス」

 ちらが、ルーベンスが描いた方の「サトュルヌス」でございまして、えん様の投稿でも触れられていたように、おそらくコレが日本で開催された「プラド展」で展示されていたのでございましょう。上のゴヤの絵と比べると「上手ではあるけど、その分どうってことない絵」という感じが致しませんですか?

 がしかし!ワタクシとトホ妻がプラド美術館で目にし、芸術対談集で問題にした絵はこの絵ではないのです!我々が見たルーベンスの「サトュルヌス」に比べれば、右の作品など遥かに上出来の部類でございまして、格調高いと申し上げても良いくらい。つまりそのくらい、我々が見たルーベンスの「サトュルヌス」はヒドかったのでございます。…ということは、ルーベンス氏は同じ題材の絵を何枚も描いたのか?だがそれにしては余りにもデキの差が…あるいは、我々が見た方はいわゆる「ルーベンス工房」の作で、ほとんどは弟子が描いたものだったのでしょうか…?

 にかく、ナンとしても自分が見た「サトュルヌス」のトホホさ加減をお伝えしなければ、という使命感に燃えたワタクシ。仕方ございません。自らの記憶を元に描きましたですよ自分で。「青空の下をマッチョなサトュルヌスが我が子を食いながら走る」という、まさに目を覆いたくなるような絵を…。え?御覧になりたいですか?本当に?御覧になった後で怒ってもワタクシは知りませんからね。それではどうぞ、こちらの方に…。

   

作品3:たぶんルーベンスによる「我が子を食らうサトュルヌス」

(いわんやの記憶を元にした復元画)

 !アナタは今、疑ってますね?ワタクシがウケを狙って有りもしない絵をデッチあげたと思ってますね?そうじゃないんですってば!本当にこういう絵がプラド美術館にはあったのです!同じ絵をトホ妻も見ているのです!そりゃ、記憶を元に描いておりますから細部は違っておりましょうが、オオマカにはホントにこういう絵だったんですってば!

 れに致しましても、あの暗黒の光を放つような凄みに満ちたゴヤの絵と比べて何という違い!コレに比べれば同じルーベンスでも、上で御覧になった作品2の方がまだ遥かにマシな絵だと皆様もお思いになりましょう?え?いわんやのマウス絵と比べればどんな絵でも遥かにマシに思える?そ、それは…まぁ、そうでしょうが…。

担当:学芸部いわんや記者

   

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